情報処理試験を勉強していると、「ストライピングって何?ミラーリングとどう違うの?」と混乱しがちです。この記事では、ストライピングの仕組みをシンプルな図解つきで整理し、試験で確実に正解できる状態を目指します。

対象試験と出題頻度

ストライピングは、基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。

RAIDの各レベルを区別させる問題で繰り返し登場しており、「ストライピング=RAID 0=高速化・冗長性なし」という対応関係を正確に答えられるかが得点を左右します。

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対象試験:
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★★★☆
ランクA(重要)必ず覚えておくべき

ストライピングの定義

ストライピング(Striping)とは、一言で言うと

 「データを細かいブロックに分割し、複数のディスクに並列で書き込むことで読み書き速度を向上させる技術

のことです。RAIDレベルではRAID 0に該当します。

イメージとしては、高速道路の車線拡張です。

1車線の道路に車が詰まっているとき、車線を2つ・3つに増やせば車は分散して流れが速くなります。ただし、どの車線も工事中になったら全車線が通行止め。つまり1台でもディスクが壊れたら全データが失われます。

速さと引き換えに安全策がない、それがストライピングの本質です。

📊 ストライピングの基本情報

項目 内容
英語名 Striping
対応RAIDレベル RAID 0
目的 ディスクI/Oの高速化(読み書き速度の向上)
最低必要台数 2台
冗長性 なし(1台故障で全データ消失)
実効容量 ディスク台数 × 1台の容量(100%利用可能)

解説

ディスク1台だけにデータを読み書きすると、そのディスクの物理的な速度が処理のボトルネックになります。特にHDDはヘッドの移動やディスクの回転待ちがあるため、データ量が増えるほど待ち時間が長くなります。

この速度の壁を打破するために考案されたのがストライピングです。

データをブロック単位に分割し、複数のディスクへ同時に書き込むことで、1台あたりの負荷を分散し、理論上はディスク台数に比例した速度向上を実現します。

書き込みの仕組み

ストライピングでは、書き込むデータをブロック(一定サイズの塊)に分割し、ディスク1→ディスク2→ディスク1→…のように交互に配置します。

読み出し時も複数のディスクから同時にデータを取得するため、合計の転送速度が向上します。

ストライピング(RAID 0)のデータ配置

元データ

A1
A2
A3
A4
A5
A6

Disk 1

A1
A3
A5

Disk 2

A2
A4
A6

▲ 奇数ブロックをDisk 1、偶数ブロックをDisk 2に分散配置。2台同時に読み書きするため速度が向上する

ミラーリング(RAID 1)との違い

ストライピングと対になる概念がミラーリングです。

両者は目的がまったく異なるため、混同しないよう整理しておきましょう。

比較項目 ストライピング(RAID 0) ミラーリング(RAID 1)
目的 読み書き速度の向上 データの冗長化(信頼性向上)
データの書き方 ブロック分割して複数ディスクに分散 同じデータを2台に完全複製
耐障害性 なし(1台故障で全損) あり(1台故障でも継続可能)
実効容量 n台分(100%) n/2台分(50%)

では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

💡 ストライピングの核心を3行で

・データをブロック単位で複数ディスクに分散書き込みし、I/O速度を向上させる技術
・RAIDレベルではRAID 0に該当し、冗長性は一切ない
・ミラーリング(RAID 1)が「信頼性」、ストライピングが「速度」と目的で対比される


試験ではこう出る!

ストライピングは、FE・APの午前問題でRAIDの各レベルを区別させる問題の中に頻出しています。

📊 過去問での出題実績

試験回 出題内容 問われたポイント
FE H18秋
午前 問23
データを細分化して複数台のディスクに格納する方式の名称を選ぶ問題。 ・正解は「ストライピング」
・ミラーリング、ディスクキャッシュ、ブロック化がひっかけ
FE H27春
午前 問11
上記H18秋 問23と同一構成の問題(流用)。 ・同一の問題がFE内で繰り返し流用される典型例
FE R1秋
午前 問15
ミラーリングを用いる方式を選ぶ問題。選択肢の中でストライピングとの区別が必要。 ・RAID 1=ミラーリングが正解
・RAID 0=ストライピングとの対比が前提知識
AP H25秋
午前 問13
RAID 0とRAID 1を同時に満たす構成での実効容量を計算する問題。 ・RAID 0は容量100%、RAID 1は容量50%
・両方を満たすと実効容量は総容量の半分

📝 IPA試験での出題パターン

パターン1:「この方式の名称は何か」
「データを細分化して複数のディスクに分散格納する方式」の名称を選ばせる形式。FE H18秋 問23・H27春 問11で出題。選択肢にミラーリングやディスクキャッシュが紛れ込むが、「分散」「並列」が見えたらストライピングと即答できる。

 

パターン2:「RAIDレベルと方式名の対応を選べ」
RAID 0~5の説明文を並べて正しい対応を選ぶ形式。「ストライピング=RAID 0」「ミラーリング=RAID 1」「分散パリティ=RAID 5」の3つの対応を暗記しておけば対応できる。

 

試験ではここまででOKです。ストライプサイズの最適値やコントローラの種類まで問われることはないので、深追いは不要です。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. データを細分化して複数台の磁気ディスクに格納することで、アクセス性能を向上させる方式はどれでしょうか?

  • A. データをブロック単位に分割して複数のディスクに交互に書き込み、並列アクセスで読み書き速度を向上させる方式である。
  • B. 同じデータを2台のディスクに同時に書き込み、1台が故障してもデータを保持できるようにする方式である。
  • C. 複数のディスクにデータとパリティ情報を分散して格納し、1台の故障時にデータを復元できるようにする方式である。

正解と解説を見る

正解:A

解説:
ストライピング(RAID 0)は、データをブロック単位で分割して複数のディスクへ並列に書き込むことでI/O性能を高める方式です。冗長性はなく、1台でも壊れると全データが失われる点が最大の特徴です。

選択肢Bはミラーリング(RAID 1)の説明です。2台のディスクに同一データを書き込むことで信頼性を確保する方式であり、速度向上を主目的とするストライピングとは対照的な設計思想です。選択肢Cは分散パリティ(RAID 5)の説明です。パリティを使ってデータ復元を可能にする方式であり、ストライピングにはパリティの概念は含まれません。


よくある質問(FAQ)

Q. ストライピングだけを使う場面はありますか?

あります。動画編集のワークスペースや一時的なキャッシュ領域など、「壊れても再生成できるデータ」を高速に読み書きしたい場面でRAID 0単体が使われます。バックアップが不要な一時ファイル専用ストレージがその代表例です。逆に、消えると困るデータにRAID 0だけを使うのは実務では避けるべき構成です。

Q. ディスクを増やすほど速くなりますか?

理論上はディスク台数に比例して転送速度が向上します。ただし、実際にはRAIDコントローラの処理能力やバスの帯域幅がボトルネックになるため、台数を増やしても性能が頭打ちになるポイントがあります。また、台数が増えるほど「どれか1台が壊れる確率」も上がるため、冗長性のないRAID 0ではリスクも比例して増大します。

Q. SSDでもストライピングの効果はありますか?

あります。SSDはHDDよりもランダムアクセスが格段に速いですが、シーケンシャル(連続)読み書きではストライピングで帯域を束ねることで更なる速度向上が見込めます。NVMe SSDを複数台束ねたRAID 0構成は、映像制作現場やハイパフォーマンスコンピューティングで実際に採用されています。

Q. RAID 10はストライピングとミラーリングの「いいとこ取り」ですか?

そのとおりです。RAID 10はミラーリングで冗長性を確保したペアをストライピングで束ねるため、速度と耐障害性を両立できます。ただし最低4台のディスクが必要で、実効容量は総容量の50%になるため、コストは高くなります。データベースサーバーなど高速性と信頼性の両方が求められる場面で採用される構成です。