対象試験と出題頻度

自家発電装置は、基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。

ファシリティマネジメントの設備問題として登場し、UPS(無停電電源装置)・AVR・CVCF・サージ防護デバイスとの役割の違いを正確に区別できるかが問われます。

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対象試験:
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★☆☆☆
ランクC(応用)余裕があれば覚える

用語の定義

情報処理試験を勉強していると、「自家発電装置ってUPSと何が違うの?」と混乱しがちです。

自家発電装置(Private Power Generator)とは、一言で言うと

 「長時間の停電に備えて、燃料を使って自前で電気を作り出す設備

のことです。

イメージとしては、キャンプ用の発電機の業務用版です。

キャンプ場でガソリンを入れて回す発電機は、電力会社の供給が届かない場所でも、燃料がある限り電気を生み出し続けます。自家発電装置も同じで、外部からの電力供給が止まっても、燃料が尽きるまで建物全体に電気を送り続けます。

📊 自家発電装置の基本情報

項目 内容
英語名 Private Power Generator
分野 ファシリティマネジメント(電源設備)
主な目的 長時間停電時の電力確保
動力源 ディーゼル・ガスタービンなどの燃料

解説

データセンターや病院、金融機関のシステムは、停電で止まると業務に致命的な影響を与えます。

電力会社からの供給が突然途絶えても事業を継続するには、自前で電気を作る備えが必要です。

ただし、燃料を燃やして発電機を回し、安定した電力を供給できるようになるまでには数十秒の起動時間がかかります。この「起動するまでの空白」を埋める役割を担うのが別の機器であり、両者は組み合わせて使われます。

停電発生からの時間軸

停電が起きてから電力が回復するまでの流れを時間軸で整理すると、各設備の守備範囲が一目でわかります。

⚡ 停電発生後の電力供給リレー

UPS
(数分)
自家発電装置(燃料が尽きるまで=長時間)
0秒
↑起動完了(数十秒~数分)
数時間~数日

▲ 停電直後の空白はUPSが瞬時にカバーし、その間に自家発電装置が起動してバトンを受け取る。両者は「短距離走者」と「長距離走者」のリレーの関係。

混同しやすい電源設備の比較

自家発電装置を正しく位置づけるには、よく一緒に出題される設備を「何のための装置か」で整理するのが近道です。

設備名 目的 対応時間
自家発電装置 燃料で発電し電力を供給し続ける 長時間
UPS 瞬断・停電時につなぎの電力を供給 数分程度
AVR 電圧を一定に保つ(自動電圧調整) 常時
CVCF 電圧と周波数を一定に保つ 常時
SPD 落雷の過電圧(サージ)から機器を保護 瞬間

では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

💡 自家発電装置の核心を2行で

・燃料で電気を作り、長時間の停電をしのぐための発電設備
・起動までの空白はUPSが埋め、両者はリレーのように連携する


試験ではこう出る!

自家発電装置は、FE・APの午前(科目A)でファシリティマネジメントの設備問題として登場します。単独で正解になることは少なく、UPSやSPDの正解を選ばせる問題の「ひっかけ選択肢」として配置されるのが特徴です。

📊 過去問での出題実績

試験回 出題内容 問われたポイント
FE 令和5年12月
午前免除 問44
瞬断対処や停電時にシステムを終了させる時間だけ電力を供給する装置を選ぶ問題。 ・正解は「UPS」
・自家発電装置はひっかけ(瞬断には対処できない)
FE H19春
問49
上記と同一構成の問題(流用)。 ・古くから繰り返し出題される定番
・選択肢の文言もほぼ同一
FE H28春
問58
落雷による過電圧の被害から情報システムを防ぐ手段を選ぶ問題。 ・正解は「SPD(サージ保護デバイス)」
・自家発電装置を選ばせるひっかけが配置
FE H29秋
問57 ほか
H28春問58と同一の過電圧対策問題が複数回流用。 ・「停電対策」と「過電圧対策」の混同を狙う

📝 IPA試験での出題パターン

パターン1:「瞬断・短時間停電の装置を選べ」
正解はUPS。自家発電装置は「瞬断には対処できない」ため誤りの選択肢として置かれる。「瞬断」「終了させる時間だけ」というキーワードが出たら自家発電装置は選ばない。

 

パターン2:「落雷の過電圧対策を選べ」
正解はSPD(サージ保護デバイス)。ここでも自家発電装置がひっかけとして登場する。自家発電装置は「停電」には強いが「過電圧」は守れない、という線引きが狙われる。

 

試験ではここまででOKです。発電機の燃料の種類や出力計算まで問われることはないので、深追いは不要です。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. 自家発電装置の説明として、最も適切なものはどれでしょうか?

  • A. 長時間の停電に備え、燃料を用いて自前で電力を発生させ、外部からの電力供給が止まっても電気を供給し続ける設備である。
  • B. 電源の瞬断や短時間の停電時に、システムを安全に終了させるための時間だけバッテリーから電力を供給する装置である。
  • C. 落雷などで発生する過電圧(サージ)の侵入から、接続された情報機器を保護する装置である。

正解と解説を見る

正解:A

解説:
自家発電装置は、燃料を用いて発電し、長時間にわたって電力を供給し続けることを目的とした設備です。電力会社からの供給が途絶える長時間停電への備えとして設置されます。

選択肢BはUPS(無停電電源装置)の説明です。UPSは瞬断や停電直後の短時間だけバッテリーで電力を供給し、システムを安全に終了させたり自家発電装置の起動までをつなぐ役割を担います。選択肢CはSPD(サージ保護デバイス)の説明です。SPDは落雷による過電圧から機器を守るもので、停電対策である自家発電装置とは目的が異なります。


よくある質問(FAQ)

Q. 自家発電装置があればUPSは不要ですか?

不要にはなりません。自家発電装置は起動して安定供給に入るまでに数十秒〜数分かかるため、その空白の間に機器が落ちてしまいます。瞬間的な切れ目を埋めるUPSとセットで初めて「止まらない電源」が完成します。両者は競合ではなく補完の関係です。

Q. 自家発電装置はどんな燃料で動きますか?

業務用ではディーゼル(軽油)やガスタービン(都市ガス・LPガス)が主流です。燃料を備蓄しておく必要があり、備蓄量が稼働可能時間を決めます。災害対策では「燃料が何日分あるか」が事業継続計画(BCP)の重要な検討項目になります。なお試験では燃料の種類まで問われることはありません。

Q. データセンターのどこで自家発電装置が使われていますか?

大規模なデータセンターでは、停電時でもサーバー・空調・セキュリティ設備を稼働させ続けるために屋外や地下に大型の自家発電装置を備えています。可用性を売りにするクラウド事業者の設備では、複数台を冗長構成にして1台が故障しても発電を継続できるよう設計されているのが一般的です。

Q. 自家発電装置はファシリティマネジメントのどの分野に分類されますか?

設備管理(電源・空調などの建物インフラの維持管理)に分類されます。ファシリティマネジメントは、施設や設備を最適なコストで維持・活用する経営管理活動を指し、電源設備の冗長化や災害対策もこの一環です。試験では「ファシリティマネジメント」という大分類の中の電源設備として位置づけて覚えておけば十分です。