対象試験と出題頻度
ロードバランシング(負荷分散)は、情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。
システム構成やネットワーク分野の問題で登場し、ホットスタンバイ・クラスタ構成・リバースプロキシとの違いを正確に区別できるかが問われます。
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情報セキュリティマネジメント
基本情報技術者
応用情報技術者
★★☆☆☆
ランクC(応用)余裕があれば覚える
用語の定義
情報処理試験を勉強していると、「ロードバランシングって結局何をしてるの?」と混乱しがちです。
ロードバランシング(Load Balancing)とは、一言で言うと
「クライアントからのアクセスを複数のサーバに振り分け、1台あたりの負荷を軽減してシステム全体の安定稼働を実現する技術」
のことです。
イメージとしては、「スーパーのレジ係が、空いているレジにお客さんを誘導する」こと。
1つのレジに全員が並ぶと大行列になりますが、空いているレジへ順番に案内すれば待ち時間は短くなる。
この「振り分け役」がロードバランサです。
📊 ロードバランシングの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 英語名 | Load Balancing(load=負荷、balancing=均衡化) |
| 実装機器 | ロードバランサ(LB)、L4/L7スイッチ |
| 最大の目的 | サーバの処理負荷を分散し、可用性と応答速度を向上させる |
解説
Webサービスの利用者が増えると、1台のサーバだけでは処理が追いつかなくなります。
応答が遅くなるだけでなく、最悪の場合はサーバがダウンし、サービス停止に至ります。
この問題に対処するために、サーバを複数台に増やし(スケールアウト)、アクセスを振り分ける仕組みとしてロードバランシングが使われます。
ロードバランサの動作の仕組み
ロードバランサはクライアントとサーバ群の間に設置され、クライアントからのリクエストを受け取ると、あらかじめ設定された振り分けアルゴリズムに従って適切なサーバへ転送します。
混同されやすい技術との違いを整理します。
| 技術 | 役割 | ロードバランシングとの違い |
|---|---|---|
| ホットスタンバイ | 待機系サーバを用意し、障害時に切替え | 通常時は待機系が稼働しない。LBは全サーバを同時に稼働させる |
| DNSラウンドロビン | DNSで複数のIPアドレスを順番に返す | サーバの稼働状態を検知できない。LBはヘルスチェックで障害サーバを除外可能 |
| リバースプロキシ | クライアントの代わりにサーバへアクセス | キャッシュやセキュリティが主目的。LBは振り分けによる処理分散が主目的 |
では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。
💡 ロードバランシングの核心を3行で
・複数のサーバにアクセスを振り分けて処理負荷を分散する技術
・ラウンドロビン・最小コネクション・重み付けなど振り分け方式が複数ある
・ホットスタンバイは「障害時の切替え」、LBは「通常時からの同時稼働+分散」と区別する
試験ではこう出る!
ロードバランシングは、システム構成やネットワーク分野の問題で繰り返し登場しています。
出題パターンは大きく2つに分かれます。
📊 過去問での出題実績(クリックして表示)
| 試験回 | 出題内容 | 問われたポイント |
|---|---|---|
| FE H28秋 午前 問14 |
ロードバランサを使用した負荷分散クラスタ構成と、ホットスタンバイ形式のHAクラスタ構成の特徴を比較する問題。 | ・LBは「処理を複数サーバに分散」 ・ホットスタンバイは「待機系に切替え」 ・スループット維持が論点 |
| SG H28春 午前 問13 |
SQLインジェクション対策としてWAFを選ぶ問題で、ロードバランシング機能が誤りの選択肢として登場。 | ・LBは「処理の振り分け」であり、攻撃遮断の機能ではない ・WAFとの役割の違い |
| AP R6春 午後 問5 |
クラウドサービスのネットワーク構成問題で、スケールアウト時に必要な機能としてロードバランサを答えさせる問題。 | ・スケールアウトとLBのセット理解 ・サーバ追加時の振り分け設定の考え方 |
📝 IPA試験での出題パターン
パターン1:「他の構成方式との比較」
ホットスタンバイ・DNSラウンドロビン・クラスタ構成といった関連技術と並べて特徴を選ばせる形式。LBが「通常時から複数サーバを同時稼働させて処理を分散する」点がポイントです。
パターン2:「セキュリティ機器との役割の区別」
ファイアウォールやWAF(Web Application Firewall)などと並んで選択肢に登場し、「攻撃遮断ではなく処理の振り分けを行うもの」として正しく除外できるかを問う形式です。
試験ではここまででOKです。「LB=複数サーバへの処理振り分け」「ホットスタンバイ=障害時に待機系へ切替え」という対比を覚えれば得点できます。深追いは不要です。
【確認テスト】理解度チェック
ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。
Q. ロードバランシングの説明として、最も適切なものはどれでしょうか?
- A. 本番系サーバと同一仕様の待機系サーバを用意し、障害発生時に処理を引き継ぐことでスループットを維持する構成方式。
- B. 複数台のサーバにクライアントからのリクエストを振り分けることで、1台あたりの処理負荷を軽減し、システム全体の応答性能と可用性を向上させる技術。
- C. Webアプリケーションへの通信内容を検査し、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの攻撃を検知・遮断する仕組み。
正解と解説を見る
正解:B
解説:
ロードバランシングは、複数サーバへリクエストを振り分けて処理負荷を均等化する技術です。「複数サーバの同時稼働」「振り分けによる分散」がキーワードになります。
選択肢Aはホットスタンバイ方式(HAクラスタ構成)の説明です。通常時は待機系が処理を行わない点でロードバランシングとは異なります。選択肢Cは WAF(Web Application Firewall)の説明です。通信内容の検査・攻撃遮断が目的であり、処理の振り分けは行いません。
よくある質問(FAQ)
Q. ロードバランサとリバースプロキシは同じものですか?
別物ですが、機能が重なる部分があります。リバースプロキシはクライアントに代わってサーバへアクセスする中継役で、キャッシュ・SSL終端・IPアドレス隠蔽などが主な目的です。一方、LBの本質はリクエストの振り分けです。ただし、実際の製品では1台の機器がリバースプロキシ機能とLB機能の両方を備えていることも多く、試験では「主目的が何か」で区別する必要があります。