対象試験と出題頻度

データリンク層は、基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。

OSI基本参照モデルの各層で動作するネットワーク機器を問う問題の中で繰り返し登場し、「ブリッジ」「スイッチングハブ(L2スイッチ)」が動作する階層として正確に答えられるかが問われます。

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対象試験:
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★★☆☆
ランクB(標準)覚えておくと有利

用語の定義

情報処理試験を勉強していると、「データリンク層って物理層ネットワーク層と何が違うの?」と境界が曖昧になりがちです。

データリンク層(Data Link Layer)とは、一言で言うと

 「MACアドレスを使って、ケーブルで直接つながっている隣接ノード間のフレーム伝送を制御する階層」

のことです。

イメージとしては、「隣の家への手渡しリレー」です。

 

📊 データリンク層の基本情報

項目 内容
英語名 Data Link Layer
階層番号 OSI基本参照モデル 第2層(レイヤ2 / L2)
主な役割 隣接ノード間のフレーム伝送制御(誤り検出・MACアドレスによる宛先制御)
代表的な機器 ブリッジ、スイッチングハブ(L2スイッチ)
代表的なプロトコル Ethernet(IEEE 802.3)、PPP、HDLC
PDU(データ単位) フレーム

解説

第1層(物理層)は電気信号や光信号を伝送路に送り出すだけで、その信号が正しく届いたかどうかまでは面倒を見ません。

一方、第3層(ネットワーク層)はIPアドレスを使って遠く離れたエンドシステム間の経路選択を行いますが、直接つながった区間の伝送品質は関知しません。

 

この「直接つながった1区間を確実に通す」という隙間を埋めるのが第2層の役割です。

 

MACアドレスによる宛先制御

データリンク層では、各ネットワーク機器に固有の48ビットの識別番号である「MACアドレス(Media Access Control Address)」を使って通信先を特定します。

上位層から渡されたデータに送信元と宛先のMACアドレスを含むヘッダを付けて「フレーム」を構成し、同一ネットワーク内の相手に届けます。

 

スイッチングハブ(L2スイッチ)は内部に「MACアドレステーブル」を保持しており、受信したフレームの宛先MACアドレスを参照して、該当するポートだけにフレームを転送します。

これにより不要なトラフィックが抑制され、ネットワーク全体の効率が上がります。

▶ 誤り検出の仕組み(クリックで展開)

フレームの末尾にはFCS(Frame Check Sequence)と呼ばれる誤り検出用のデータが付加されます。受信側はフレーム全体からFCSを再計算し、送られてきた値と一致しなければ「伝送中にデータが壊れた」と判断してそのフレームを破棄します。

 

ここで重要なのは、第2層が行うのは「誤り検出」であって「誤り訂正」ではない点です。

壊れたフレームの再送を要求する仕組みは、上位の第4層(トランスポート層)のTCPが担います。

 

隣接する層との境界

ここだけは確実に押さえてください。

第1層・第2層・第3層の違いは「何を見て判断するか」で一発で整理できます。

 

第1層(物理層)は電気信号・光信号そのものを扱い、データの中身は一切参照しません。

 

第2層はMACアドレスを参照して、同一ネットワーク内の「隣接ノード間」でフレームを転送します。

 

第3層はIPアドレスを参照して、異なるネットワークをまたぐ「エンドシステム間」の経路選択を行います。

 

では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

💡 データリンク層の核心を3行で

・MACアドレスを使って隣接ノード間のフレーム伝送を制御するOSI第2層
・ブリッジやスイッチングハブ(L2スイッチ)がこの層で動作する
・第1層は「信号」、第2層は「MACアドレス」、第3層は「IPアドレス」で判断すると整理する


試験ではこう出る!

データリンク層は、OSI基本参照モデルの各層の役割や対応機器を問う問題で定番のテーマです。

出題パターンは大きく3つに分かれます。

📊 過去問での出題実績(クリックして表示)
試験回 出題内容 問われたポイント
FE H22秋
午前 問35
複数のLANを接続するために用いる装置で、データリンク層のプロトコル情報に基づいてデータを中継する装置を選ぶ問題。 ・正解はブリッジ
・ゲートウェイ(第4層以上)やルータ(第3層)がひっかけ
FE H24秋
午前 問35
スイッチングハブ(レイヤ2スイッチ)の特徴として適切なものを選ぶ問題。 ・「宛先MACアドレスが存在するLANポートだけに転送する」が正解
・「IPアドレスの動的な割当て」(DHCP)がひっかけ
AP R2秋
午前 問33
スイッチングハブ(レイヤ2スイッチ)の機能として適切なものを選ぶ問題。 ・「MACアドレスを解析して必要なLANポートにデータを流す」が正解
・「IPアドレスを解析」はルータ(第3層)の記述
AP H30秋
午前 問32
スイッチングハブと同等の機能をもち同じプロトコル階層で動作する装置を選ぶ問題。 ・正解はブリッジ(同じ第2層で動作)
・リピータ(第1層)やルータ(第3層)との区別

📝 IPA試験での出題パターン

パターン1:「データリンク層で動作する装置を選べ」
ブリッジ・リピータ・ルータ・ゲートウェイなどの選択肢が並び、第2層で動作するものを特定させる形式。「MACアドレスに基づいてフレームを中継する」というキーワードが含まれていれば、ブリッジまたはスイッチングハブで確定です。

 

パターン2:「スイッチングハブの機能を選べ」
L2スイッチの動作を正しく記述した選択肢を選ばせる形式。「MACアドレスを解析して必要なポートだけに転送する」が正解の鉄板パターン。「IPアドレスを解析する」という記述はルータ(第3層)の機能であり、最頻出のひっかけです。

 

パターン3:「スイッチングハブと同じ層で動作する機器を選べ」
AP H30秋のように、ブリッジとスイッチングハブが「同じ第2層で動作する」ことを知っているかを問う形式。ブリッジはソフトウェア処理、スイッチングハブはハードウェア処理という違いがありますが、動作階層は同一です。

 

試験ではここまででOKです。

Ethernetフレームの詳細構造やFCSの計算方法まで午前問題で問われることはないので、深追いは不要です。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. OSI基本参照モデルのデータリンク層(第2層)で動作する装置の説明として、最も適切なものはどれでしょうか?

  • A. 伝送路の途中で減衰した電気信号を増幅・整形し、データの伝送距離を延長する。
  • B. IPアドレスを参照して最適な経路を選択し、異なるネットワーク間でパケットを転送する。
  • C. 受信したフレームの宛先MACアドレスを参照し、該当するLANポートだけにデータを転送する。

正解と解説を見る

正解:C

解説:
データリンク層(第2層)で動作するスイッチングハブ(L2スイッチ)は、MACアドレステーブルを参照して宛先ポートだけにフレームを転送する装置です。

選択肢Aは物理層(第1層)で動作するリピータの説明です。リピータは信号の増幅・整形だけを行い、MACアドレスやIPアドレスは一切参照しません。選択肢Bはネットワーク層(第3層)で動作するルータの説明です。IPアドレスによる経路選択は第3層の機能であり、第2層では行いません。


よくある質問(FAQ)

Q. ブリッジとスイッチングハブ(L2スイッチ)は何が違いますか?

どちらもデータリンク層で動作し、MACアドレスを見てフレームを転送する点は同じです。違いは処理方式にあります。ブリッジはソフトウェアでフレームの転送先を判断するため処理速度がやや遅く、ポート数も少ないのが一般的です。スイッチングハブはハードウェア(ASIC)で高速に処理でき、多数のポートを備えています。現在のLAN環境ではスイッチングハブが主流であり、ブリッジは試験問題の中で生き続けている存在です。

Q. データリンク層はTCP/IPモデルではどこに対応しますか?

TCP/IPモデル(4層構造)では、最下層の「ネットワークインタフェース層(リンク層)」に含まれます。TCP/IPモデルでは物理層とデータリンク層を1つにまとめて扱うため、層として独立していません。IPA試験で「第2層」「レイヤ2」と出たらOSI基本参照モデルの話と判断してください。

Q. 「ブロードキャストストーム」とは何ですか?

L2スイッチ同士を冗長構成(ループ構成)で接続した場合に、ブロードキャストフレームがネットワーク内を永久に循環し続け、帯域を圧迫してネットワークがダウンする現象です。これを防ぐ仕組みが「スパニングツリープロトコル(STP:IEEE 802.1D)」で、論理的にループを検出して一部のポートをブロック状態にします。応用情報レベルではSTPの名前が出ることがあるため、頭の片隅に入れておくと安心です。