対象試験と出題頻度

ポート番号は、ITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者のすべてで出題されるテーマです。

「ポート番号で識別できるものは何か」・「各プロトコルに対応するウェルノウンポート番号はどれか」といった形式で繰り返し問われており、ネットワーク分野の基本として確実に得点したい用語です。

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対象試験:
ITパスポート
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★★★☆
ランクA(重要)必ず覚えておくべき

用語の定義

情報処理試験を勉強していると、「IPアドレスとポート番号って何が違うの?」と混乱しがちです。

ポート番号(Port Number)とは、一言で言うと

 「TCP/IP通信において、コンピュータ上で動作しているアプリケーションを識別するための番号」

のことです。

 

イメージとしては、「マンションの部屋番号」です。

 

IPアドレスが「マンションの住所」だとすると、ポート番号は「何号室か」にあたります。

住所だけでは届け先の部屋がわからないように、IPアドレスだけではコンピュータ上のどのアプリケーションにデータを届ければよいか判断できません。ポート番号があることで、データを正しいアプリケーションに届けられます。

📊 ポート番号の基本情報

項目 内容
英語名 Port Number
番号の範囲 0~65535(16ビットの整数値)
管理している層 トランスポート層(TCP/UDP)
番号の管理団体 IANA(Internet Assigned Numbers Authority)

解説

現代のコンピュータは、Webブラウザ・メールソフト・ファイル転送ツールなど複数のアプリケーションを同時に動かしています。

外部からデータが届いたとき、どのアプリケーション宛てなのかを振り分ける仕組みが必要です。

 

この振り分けに使われるのがポート番号であり、OSI参照モデルトランスポート層(TCP/UDP)で管理されています。

ポート番号の3つの区分

0~65535の範囲は、用途に応じて3つに分類されます。

区分 範囲 用途
ウェルノウンポート 0~1023 HTTP・SMTP・FTPなど、代表的なプロトコル用に予約されている番号
レジスタードポート 1024~49151 特定のアプリケーションベンダーが登録して使用する番号
ダイナミック(エフェメラル)ポート 49152~65535 クライアント側が通信時に一時的に使う番号。OSが自動的に割り当てる

試験で特に重要なのはウェルノウンポートです。

「well-known=よく知られた」という名前の通り、主要なプロトコルとセットで覚える必要があります。

▶ 試験で問われるウェルノウンポート一覧(クリックで展開)
プロトコル ポート番号 用途
HTTP 80/TCP Webページの閲覧(暗号化なし)
HTTPS 443/TCP Webページの閲覧(暗号化あり)
FTP 20/TCP(データ転送用)
21/TCP(制御用)
ファイル転送
SSH 22/TCP 暗号化されたリモート接続
SMTP 25/TCP メール送信
DNS 53/TCP・UDP ドメイン名とIPアドレスの変換
POP3 110/TCP メール受信(ダウンロード型)
NTP 123/UDP 時刻同期
IMAP4 143/TCP メール受信(サーバー管理型)
サブミッションポート 587/TCP メール送信(ユーザー認証付き)

FTPだけが「データ転送用(20番)」と「制御用(21番)」の2つを使う点は、試験で繰り返し問われています。ここだけは確実に押さえてください。

IPアドレス・MACアドレスとの役割の違い

ネットワークには「どの機器か」「どのアプリケーションか」を識別するための番号が階層ごとに用意されています。

MACアドレスデータリンク層で物理的なネットワーク機器(NIC)を識別し、IPアドレスはネットワーク層でネットワーク上のコンピュータを識別します。そしてポート番号はトランスポート層で、そのコンピュータ上のアプリケーションを識別します。

 

「MACアドレス=NIC」「IPアドレス=コンピュータ」「ポート番号=アプリケーション」と対応づけて整理するのが最も効率的です。

なお、ファイアウォールパケットフィルタリングでは、IPアドレスとポート番号の組み合わせをルールとして設定し、通信の許可・遮断を判断します。

では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

💡 ポート番号の核心を3行で

・コンピュータ上のアプリケーションを識別するための16ビットの番号(0~65535)
・0~1023のウェルノウンポートが試験の最頻出範囲。HTTP=80、HTTPS=443、FTP=20/21を筆頭に覚える
・IPアドレスが「コンピュータの特定」、ポート番号が「アプリケーションの特定」と役割が異なる


試験ではこう出る!

ポート番号は、IPAの各試験区分で繰り返し出題されている定番テーマです。

出題パターンは大きく3つに分かれます。

📊 過去問での出題実績

試験回 出題内容 問われたポイント
IP R6
問92
1台のサーバが複数サービスを提供するとき、利用するサービスを指定するために用いるものを選ぶ問題。 ・「アプリケーションの識別」=ポート番号
・IPアドレス・ドメイン・ホスト名はひっかけ
IP R2秋
問67
ポート番号によって識別されるものを選ぶ問題。 ・通信アプリケーションが正解
・MACアドレス(LANインタフェース)がひっかけ
AP R7春
午前 問33
データ転送用と制御用に異なるウェルノウンポート番号が割り当てられているプロトコルを選ぶ問題。 ・FTP(20番と21番)が正解
・同一問題がFE H26秋問33、AP R4秋問32でも出題
SG H30秋
問46
トランスポート層におけるポート番号の説明として適切なものを選ぶ問題。 ・「通信サービスを識別する」が正解
・MACアドレスやIPアドレスの説明がダミー

📝 IPA試験での出題パターン

パターン1:「ポート番号で識別されるものを選べ」
IPアドレス・MACアドレス・ESSID・ポート番号の識別対象を区別させる定義問題。

IP・SGで頻出。「コンピュータ上のアプリケーション」を選べば正解。

 

パターン2:「プロトコルとウェルノウンポートの対応を選べ」
FTPの20/21番、HTTPの80番、HTTPSの443番など、プロトコルと番号のペアを問う問題。

FE・APで定番。FTPが2つの番号を使う点がひっかけの中心。

 

パターン3:「通信経路上のパケットの宛先ポート番号を答えよ」
FE R1秋問34のように、プロキシサーバを経由する通信でパケットの宛先ポート番号がどう変わるかを問う応用問題。通信経路を順に追って考える力が必要。

 

試験ではここまででOKです。

レジスタードポートやダイナミックポートの範囲は深追い不要で、ウェルノウンポートの主要な番号を覚えていれば得点できます。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. TCP/IPにおけるポート番号の説明として、最も適切なものはどれでしょうか?

  • A. ネットワーク上のコンピュータを一意に識別するために割り当てられた、32ビットまたは128ビットの数値である。
  • B. LANに接続されたネットワーク機器のNIC(ネットワークインタフェースカード)を物理的に識別するための48ビットの番号である。
  • C. コンピュータ上で動作している通信アプリケーションを識別するために使われる、0~65535の範囲の番号である。

正解と解説を見る

正解:C

解説:
ポート番号は、TCP/IP通信においてコンピュータ上のアプリケーションを識別するための16ビットの整数値(0~65535)です。トランスポート層で管理され、データを正しいアプリケーションに届ける役割を担います。

選択肢AはIPアドレスの説明です。IPv4は32ビット、IPv6は128ビットでネットワーク上のコンピュータを識別しますが、アプリケーションの特定は行いません。選択肢BはMACアドレスの説明です。データリンク層でNICを物理的に識別する48ビットの番号であり、アプリケーションの識別とは無関係です。


よくある質問(FAQ)

Q. ポート番号を管理しているのはどこですか?

IANA(Internet Assigned Numbers Authority)が管理しています。IANAはウェルノウンポートの割り当てを公開しており、IANAのWebサイトで全リストを確認できます。ただし、IPA試験でIANAの名称が問われることはないため、「国際的な管理団体がある」程度の認識で十分です。

Q. サブミッションポート(587番)と SMTP(25番)は何が違いますか?

SMTPの25番はメールサーバ間の転送に使われる番号です。一方、587番のサブミッションポートはメールソフトからメールサーバへの送信専用で、ユーザー認証(SMTP-AUTH)を必須としています。25番ポートを悪用したスパムメール送信(OP25B対策)を防ぐ目的で導入されました。応用情報技術者のR5春問44で、この導入目的が直接問われています。

Q. 「TCP」と「UDP」でポート番号の仕組みは変わりますか?

番号の仕組み自体は同じですが、TCPとUDPは独立した番号空間を持っています。そのため「TCP/53」と「UDP/53」は別々に存在し、DNSのように両方を使うプロトコルもあります。試験では「FTP=TCP」「NTP=UDP」のように、どちらのプロトコルを使うかもセットで問われることがあるため、主要なものは合わせて覚えておくのが安全です。

Q. NAPTはポート番号とどう関係しますか?

NAPT(Network Address Port Translation)は、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する際に、ポート番号も同時に変換する技術です。1つのグローバルIPアドレスを複数の端末で共有できるのは、端末ごとに異なるポート番号を割り当てて通信を区別しているためです。応用情報技術者のR2秋問34で出題されています。