対象試験と出題頻度

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対象試験:
情報セキュリティマネジメント試験
基本情報技術者試験
応用情報技術者試験
出題頻度:
★★★☆☆
ランクB(標準)

用語の定義

二重脅迫(ダブルエクストーション)とは、一言で言うと「ファイルを暗号化するだけでなく、事前に窃取したデータを”公開するぞ”と脅して二重に身代金を要求するランサムウェアの手法」のことです。

イメージとしては、「人質を取った上に、さらに”家族の秘密をバラすぞ”と脅す二段構えの誘拐犯」と同じです。
従来のランサムウェアは「ファイルを暗号化→身代金を払えば復号キーを渡す」という一重の脅迫でした。しかし、バックアップがあれば身代金を払わずに復旧できるため、攻撃者は「データを公開する」という第二の脅迫カードを追加したのです。

解説

二重脅迫は、2019年頃から急増したランサムウェアの進化形態です。IPAの「情報セキュリティ10大脅威」でも、ランサムウェア被害の深刻化として取り上げられています。従来型との違いを理解することが重要です。

  • 従来のランサムウェア: ファイル暗号化 → 身代金要求 → バックアップがあれば被害を最小化できた
  • 二重脅迫型: データ窃取 → ファイル暗号化 → 身代金要求 → 払わなければデータ公開

二重脅迫の攻撃フローは以下の通りです。

  • ステップ1:侵入 – フィッシングメールやVPNの脆弱性などを通じて組織内に侵入
  • ステップ2:データ窃取 – 暗号化する前に、顧客情報・財務データ・機密文書などを外部に持ち出す
  • ステップ3:暗号化 – ファイルを暗号化して使用不能にする
  • ステップ4:二重脅迫 – 「身代金を払わなければ、窃取したデータをリークサイト(暴露サイト)で公開する」と脅迫

この手法が厄介なのは、バックアップがあっても被害を回避できない点です。データが公開されれば、顧客からの信用失墜、個人情報保護法違反による罰則、取引先との関係悪化など、金銭以外の甚大な被害が発生します。

具体的な活用例・対策

二重脅迫型ランサムウェアの被害を防ぐために、以下のような対策が有効です。

  • 侵入防止の徹底: フィッシング対策、VPN機器のパッチ適用、多要素認証の導入など、そもそも侵入させない対策を強化する
  • データの暗号化: 保存データ自体を暗号化しておけば、窃取されても攻撃者が内容を読み取れない
  • DLP(情報漏えい防止): 大量のデータが外部に送信される異常を検知・ブロックする仕組みを導入する
  • ネットワーク監視: 不審な外部通信やデータ転送をリアルタイムで検知する
  • アクセス権限の最小化: 従業員がアクセスできるデータを業務上必要な範囲に限定し、窃取されるデータ量を減らす
  • インシデント対応計画: 二重脅迫を受けた場合の対応手順(法的対応、広報対応含む)を事前に策定しておく

試験ではこう出る!

情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験・応用情報技術者試験で出題されます。以下のキーワードとセットで覚えましょう。

【重要キーワード】

  • ランサムウェア
  • リークサイト(暴露サイト)
  • データ窃取・情報漏えい
  • RaaS(Ransomware as a Service)
  • DLP(Data Loss Prevention:情報漏えい防止)
  • バックアップだけでは防げない

試験問題で「暗号化に加えて窃取したデータの公開をちらつかせて脅迫する」「身代金を払わなければ情報をリークサイトで公開すると脅す」といった記述があれば、それは「二重脅迫(ダブルエクストーション)」に関する記述です。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。

Q. 二重脅迫(ダブルエクストーション)に関する説明として、最も適切なものはどれでしょうか?

  • A. ファイルを暗号化した後、さらに別のマルウェアを送り込んで二重に感染させる手法
  • B. ファイル暗号化に加え、事前に窃取したデータを「公開するぞ」と脅して二重に身代金を要求する手法
  • C. 2つの異なる組織を同時に攻撃し、それぞれに身代金を要求する手法

正解と解説を見る

正解:B

解説:
二重脅迫(ダブルエクストーション)とは、従来のランサムウェアの「ファイル暗号化→身代金要求」に加えて、事前に窃取したデータを「リークサイトで公開するぞ」と脅す二段構えの手法です。バックアップがあっても情報漏えいを防げないため、従来のランサムウェア対策だけでは不十分になりました。
AとCは二重脅迫の正しい説明ではありません。「二重」とは「暗号化による業務停止」と「データ公開による信用失墜」の二つの被害を指すことを理解しておきましょう。