対象試験と出題頻度
CMDB(構成管理データベース)は、基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。
サービスマネジメントの構成管理プロセスとセットで問われ、変更管理・リリース管理など他プロセスとの役割の違いを区別できるかがポイントになります。
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基本情報技術者
応用情報技術者
★★☆☆☆
ランクC(応用)余裕があれば覚える
用語の定義
情報処理試験を勉強していると、「CMDBって結局どんなデータベース?普通のDBと何が違うの?」と混乱しがちです。
CMDB(Configuration Management Database:構成管理データベース)とは、一言で言うと
「ITサービスを構成する要素(CI)の情報とその関係を一元管理するデータベース」
のことです。
イメージとしては、「建物の設計台帳」です。
設計台帳には、どの部屋にどの配線が通り、どの設備とつながっているかが記録されています。1か所を改修するとき、台帳を見れば影響範囲がすぐ分かります。
CMDBも同じで、サーバー・ソフトウェア・ネットワーク機器といった構成要素と、その「つながり」をまとめて把握できる仕組みです。
📊 CMDBの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 英語名 | Configuration Management Database |
| 分類 | サービスマネジメント(構成管理プロセス) |
| 管理対象 | 構成品目(CI:Configuration Item) |
| 記録される情報 | 構成品目、版、関係、ベースライン、リリース |
解説
ITサービスは、サーバー・OS・アプリ・ネットワーク機器といった数えきれない部品が複雑に絡み合って動いています。
1つの機器を交換しただけで、思わぬ別のサービスが止まることもあります。
そこで、管理すべき個々の要素をCI(構成品目)として登録し、「何が」「どの版で」「何とつながっているか」を集約する場所が必要になりました。これがCMDBの登場理由です。
CMDBに記録される主な情報
| 記録項目 | 意味 |
|---|---|
| 構成品目(CI) | サーバーやソフトウェアなど、管理対象となる個々の要素 |
| 関係 | CI同士のつながり(どの機器がどのサービスを支えているか) |
| 版(バージョン) | 各CIの世代・改版状況 |
| ベースライン | ある時点で合意・確定された構成のスナップショット |
CIの関係をCMDBが束ねる
(CI)
(CI)
(CI)
(CI)
▲ 個々のCIとその関係をCMDBがまとめて保持する
他のサービスマネジメントプロセスとの関係
CMDBを正しく位置づけるには、構成管理プロセスと隣接プロセスの担当範囲を整理するのが近道です。
| プロセス | 担当範囲 |
|---|---|
| 構成管理 | CIの特定・記録・追跡・検証と、CMDBでのCI情報の管理 |
| 変更管理 | CIへの変更要求(RFC)を統制する |
| リリース及び展開管理 | 確定した変更を本番環境へ配付・展開する |
では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。
💡 CMDBの核心を3行で
・ITサービスの構成要素(CI)と、その関係を一元管理するデータベース
・記録されるのは構成品目・関係・版・ベースライン・リリースなど
・「変更管理」「リリース管理」ではなく「構成管理プロセス」の中心的なツール
試験ではこう出る!
CMDBは、JIS Q 20000を題材にした構成管理プロセスの問題で繰り返し登場します。「どのプロセスの活動か」を取り違えさせるひっかけが定番です。
📊 過去問での出題実績
| 試験回 | 出題内容 | 問われたポイント |
|---|---|---|
| AP H30春 午前 問56 |
JIS Q 20000-2に基づき、構成管理プロセスの活動を選ぶ問題。 | ・正解は「CIの特定・管理・記録・追跡・報告・検証、CMDBでのCI情報管理」 ・総費用計算(予算会計)・配付(リリース)・変更要求管理(変更管理)がひっかけ |
| AP H21秋 午後 問11 |
CMDBの目的・必要性を題材にした記述問題。 | ・膨大な構成要素を手作業でなく一元管理する意義が問われる |
📝 IPA試験での出題パターン
パターン1:「構成管理プロセスの活動を選べ」
JIS Q 20000を引用し、4プロセスの活動が並ぶ形式。CMDBへのCI情報管理を含む選択肢が正解。「変更要求の管理(変更管理)」「正しい場所・時間での配付(リリース管理)」「総所有費用の計算(予算会計)」が紛れ込む。
パターン2:「CMDBとは何かを選べ」
構成品目の属性や関係を記録するデータベース、という説明を選ばせる。インシデント記録(インシデント管理)や、変更の承認記録(変更管理)がひっかけ。
試験ではここまででOKです。CMDBの具体的なデータ構造やツール名まで問われることはほぼないので、深追いは不要です。
【確認テスト】理解度チェック
ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。
Q. サービスマネジメントにおけるCMDB(構成管理データベース)の説明として、最も適切なものはどれでしょうか?
- A. 利用者からの問合せやインシデントの内容・対応状況を記録し、再発防止に役立てるためのデータベースである。
- B. CIに対する変更要求(RFC)を受け付け、影響評価と承認の履歴を統制するためのデータベースである。
- C. ITサービスを構成する構成品目(CI)の属性やCI間の関係を記録し、一元的に管理するためのデータベースである。
正解と解説を見る
正解:C
解説:
CMDBは、構成品目(CI)とその関係を記録して一元管理するデータベースであり、構成管理プロセスの中心的なツールです。よって選択肢Cが正解です。
選択肢Aはインシデント管理で使われる記録(インシデント記録)の説明であり、対象は問合せや障害対応であってCIそのものではありません。選択肢Bは変更管理プロセスの説明で、扱うのは変更要求(RFC)の評価・承認履歴です。いずれもCIと関係の一元管理を目的とするCMDBとは役割が異なります。
よくある質問(FAQ)
Q. CMDBとIT資産管理ツールは同じものですか?
目的が異なります。IT資産管理は「何台あるか」「ライセンスは足りているか」といった資産の数量やコストの把握が主眼です。一方CMDBは、各要素が「互いにどうつながっているか」という関係性の管理に重きを置きます。同じ機器を扱っても、片方は会計・棚卸の視点、片方は影響範囲の追跡という視点で見る点が違います。
Q. CMDBを整備すると実務でどんなメリットがありますか?
障害発生時の原因切り分けと、変更時の影響範囲調査が速くなります。あるサーバーを止めると、それに依存するどのサービスが影響を受けるかを関係情報からたどれるためです。逆に情報が古いまま放置されると誤った判断につながるため、最新状態を保つ運用ルールが重要になります。
Q. CMDBとCMS(構成管理システム)は違うものですか?
CMSは、複数のCMDBや関連情報を束ねる、より上位の仕組みを指す概念です。ITILの新しい版ではCMDBを内包する形でCMSという言葉が使われます。ただしIPA試験では両者の細かな区別が問われることはまずないため、「構成情報を管理する仕組み」とまとめて理解しておけば十分です。