対象試験と出題頻度

DisplayPortは、ITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。

映像インタフェースの比較問題として定番化しており、USBやHDMI・DVIなど他のインタフェースとの違いを正確に区別できるかが問われます。

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対象試験:
ITパスポート
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★★★☆
ランクA(重要)必ず覚えておくべき

用語の定義

情報処理試験を勉強していると、「DisplayPortってHDMIと何が違うの?」と混乱しがちです。

DisplayPort(ディスプレイポート)とは、一言で言うと

 「PCとディスプレイを接続するために、VESAが策定したデジタル映像インタフェース規格

のことです。

イメージとしては、映像を小包(パケット)に梱包して送る宅配便です。

HDMIが「映像と音声を常に流し続ける水道管」だとすれば、DisplayPortは「必要な映像・音声データを小包に分けて送る宅配便」です。

パケット方式だからこそ、帯域幅を効率よく使い、1本のケーブルで複数のディスプレイに映像を送り分けることもできます。

📊 DisplayPortの基本情報

項目 内容
略称 DP
策定団体 VESA(Video Electronics Standards Association)
伝送方式 パケット化によるシリアル伝送
伝送信号 デジタル映像+音声(音声はオプション)
著作権保護 HDCP対応
前身規格 DVI(Digital Visual Interface)

解説

PC向けのデジタル映像インタフェースとしては、もともとDVIが使われていました。しかし、DVIにはコネクタが大きすぎてノートPCに搭載しにくい、音声を伝送できないといった弱点がありました。

一方、家電業界から登場したHDMIは映像と音声を同時に伝送できるものの、ライセンス料が発生するうえ、PC特有のマルチディスプレイ用途を想定した設計ではありません。

そこでVESAが2006年に策定したのがDisplayPortです。DVIの後継として、小型コネクタ・パケット伝送・マルチディスプレイ対応を設計思想に据え、PC業界が求める要件を満たしました。

コネクタ形状

DisplayPortのコネクタは、長方形の片隅が斜めにカットされた独特の形状をしています。DVIの約37mmに対して約16mmと半分以下のサイズです。

さらに小型化したMini DisplayPortも規格化されており、薄型ノートPCで採用されています。

🔌 DisplayPortコネクタの断面図

DisplayPortコネクタ断面図

DisplayPort(標準)

約16mm幅・片隅が斜めカット

▲ 長方形の一角が斜めにカットされた形状が特徴。DVIのように左右対称ではない

規格バージョンと帯域幅

DisplayPortはバージョンが上がるごとに帯域幅が拡大しています。ここだけは確実に押さえてください。

バージョン リリース年 最大帯域幅 主な対応解像度
1.0 2006年 8.64 Gbps 1080p 60Hz
1.2 2009年 17.28 Gbps 4K 60Hz
1.4 2016年 25.92 Gbps 8K 60Hz(DSC圧縮時)
2.0 / 2.1 2019年 / 2022年 最大 77.37 Gbps 16K 60Hz(DSC圧縮時)

帯域幅の比較グラフ

数値だけでは差がつかみにくいため、主要バージョンの最大帯域幅を棒グラフで比較します。

📊 DisplayPort バージョン別 最大帯域幅の比較

DP 1.0
8.64Gbps
DP 1.2
17.28Gbps
DP 1.4
25.92Gbps
DP 2.1
77.37Gbps

※ バーの長さはDP 2.1(UHBR 20:77.37Gbps)を100%とした相対比率

HDMIとの違い

DisplayPortとHDMIは「デジタルで映像を送る」点では同じですが、設計思想がまったく異なります。

比較項目 DisplayPort HDMI
策定団体 VESA HDMI Forum
主な用途 PC・ビジネス・プロ用途 テレビ・家電・ゲーム機
伝送方式 パケット伝送 TMDS(連続信号伝送)
音声伝送 オプション(機器による) 標準対応
マルチディスプレイ MST(1本で複数画面)対応 非対応(1対1接続)
ライセンス料 原則無料(VESA方針) 有料

他の映像インタフェースとの比較

DisplayPortを正しく位置づけるには、主要な映像インタフェースの特徴をまとめて整理するのが近道です。

インタフェース 信号種別 音声伝送 見分けキーワード
DisplayPort デジタル オプション パケット伝送、VESA、MST
HDMI デジタル 標準対応 TMDS、家電・テレビ標準
DVI デジタル(DVI-D)
両用(DVI-I)
非対応 大型コネクタ、音声なし
VGA(D-Sub 15pin) アナログ 非対応 アナログ、CRT時代の標準

では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

💡 DisplayPortの核心を3行で

・VESAが策定したPC向けデジタル映像インタフェース。DVIの後継規格
・映像と音声をパケット化してシリアル伝送する点がHDMI(TMDS方式)との決定的な違い
・MST(マルチストリーム転送)により1本のケーブルで複数ディスプレイへの出力が可能


試験ではこう出る!

DisplayPortは、FE・APの午前問題で映像インタフェースの特徴を選ばせる問題として出題されています。

📊 過去問での出題実績

試験回 出題内容 問われたポイント
AP R1秋
午前 問11
DisplayPortの説明として適切なものを選ぶ問題 ・正解は「映像と音声をパケット化して、シリアル伝送できる」
・DVIと同じコネクタサイズ、アナログ伝送可能、HDCP非対応がひっかけ

📝 IPA試験での出題パターン

パターン:「DisplayPortの説明を選べ」
AP R1秋 午前問11が代表例です。4つの選択肢から正しい説明を選ぶ形式で、以下のひっかけが定番化しています。

 

・「DVIと同じサイズのコネクタ」→ DVIは約37mm、DisplayPortは約16mmで全く異なる
・「アナログ映像信号も伝送できる」→ デジタル専用。アナログ対応はDVI-I
・「著作権保護の機能をもたない」→ HDCPに対応している

 

キーワードは「パケット」「シリアル伝送」「映像+音声」の3つ。この3つが含まれる選択肢を選べば正解です。試験ではここまででOKです。各バージョンの帯域幅の数値まで問われることはないので、深追いは不要です。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. PCとディスプレイの接続に用いられるDisplayPortの説明として、最も適切なものはどれでしょうか?

  • A. DVIの後継規格であり、アナログとデジタルの両方の映像信号を伝送できる。
  • B. VESAが策定した規格であり、映像と音声をパケット化してシリアル伝送できる。
  • C. HDMIと同一のTMDS方式を使い、1本のケーブルで複数ディスプレイにデイジーチェーン接続できる。

正解と解説を見る

正解:B

解説:
DisplayPortは、VESAが策定したPC向けデジタル映像インタフェースであり、映像と音声をパケットにまとめてシリアル伝送する点が最大の特徴です。AP R1秋 午前問11でもこの点が正解の根拠になっています。

選択肢Aは「アナログとデジタルの両方」が誤りです。DisplayPortはデジタル専用であり、アナログ・デジタル両対応なのはDVI-Iです。選択肢Cは「HDMIと同一のTMDS方式」が誤りです。DisplayPortの伝送方式はパケット方式であり、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)はHDMIやDVIで使われる方式です。なお、デイジーチェーン接続はDisplayPortの機能ですが、HDMIでは対応していません。


よくある質問(FAQ)

Q. DisplayPort Alt Modeとは何ですか?

USB Type-Cコネクタを通じてDisplayPort信号を伝送する仕組みです。USB Type-Cの端子しか持たない薄型ノートPCでも、変換アダプタなしでDisplayPort対応ディスプレイに接続できます。USB4以降ではDisplayPort 2.0 Alt Modeへの対応が必須となっており、Type-C端子からの映像出力はこの技術に支えられています。

Q. MST(マルチストリーム転送)とは何ですか?

DisplayPort 1.2以降で利用できる、1本のケーブルから複数のディスプレイへ独立した映像信号を同時に送る機能です。対応ディスプレイ同士をデイジーチェーン(数珠つなぎ)で接続するか、MSTハブを使うことで、PC側の出力端子が1つしかなくてもマルチディスプレイ環境を構築できます。HDMIにはこの機能がないため、PC業界でDisplayPortが採用される大きな理由の1つです。

Q. DisplayPortからHDMIへの変換は可能ですか?

可能です。ほとんどのDisplayPort出力はデュアルモード(DP++)に対応しており、パッシブ変換アダプタを使ってHDMIやDVIのディスプレイに接続できます。ただし逆方向(HDMI出力→DisplayPort入力)はパッシブ変換では対応できず、信号をDisplayPort形式に変換するアクティブ変換アダプタが必要です。

Q. DisplayPortの音声伝送は「オプション」とのことですが、実際に音が出ない場合がありますか?

あります。DisplayPortの音声伝送は規格上オプション扱いのため、機器メーカーの実装次第です。グラフィックスカードやディスプレイのどちらかが音声伝送に対応していなければ音声は出力されません。確実に音声を出したい場合は、別途オーディオケーブルを接続するか、音声伝送が標準対応のHDMIを使うのが安全です。