対象試験と出題頻度

LTE / 4Gは、ITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。

 

移動通信規格の世代比較や、LTEの定義を問う問題として登場し、「Bluetooth」「アドホック接続」「フェムトセル」などとの区別が問われます。

 

H30春期 ITパスポート 問89、H31春期 ITパスポート 問73(5Gとの比較)など、繰り返し出題されています。

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対象試験:
ITパスポート
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★★☆☆
ランクB(標準)覚えておくと有利

用語の定義

情報処理試験を勉強していると、「LTEと4Gって同じもの?3.9Gって何?」と混乱しがちです。

LTE(Long Term Evolution)とは、一言で言うと

 「3G(第3世代)を高速化した携帯電話の通信規格で、下り最大100Mbps以上を実現する無線通信方式」

のことです。一般的に「4G」と呼ばれています。

イメージとしては、「一般道路(3G)から高速道路(LTE/4G)への乗り換え」です。

 

目的地は同じ「インターネット接続」でも、走れるスピードと車線数が大幅にアップし、動画やアプリのダウンロードがストレスなく使えるようになった。これが3GからLTEへの進化です。

📊 LTE / 4Gの基本情報

項目 内容
正式名称 Long Term Evolution(ロングタームエボリューション)
世代分類 厳密には3.9G。2010年にITU(国際電気通信連合)が4Gと呼称することを認可
通信速度(理論値) 下り最大100Mbps以上、上り最大50Mbps以上
標準化団体 3GPP(3rd Generation Partnership Project)

解説

携帯電話の通信規格は、1G(アナログ音声)→ 2G(デジタル化・メール)→ 3G(モバイルインターネット)と約10年ごとに世代交代してきました。

3Gでもウェブ閲覧やメールは可能でしたが、スマートフォンの登場で動画視聴やアプリのダウンロードが急増し、通信速度が圧倒的に不足していました。

 

この課題を解決するために登場したのがLTEです。

「Long Term Evolution=長期的進化」の名前の通り、3Gの技術基盤を発展させつつ、速度と効率を飛躍的に引き上げた規格です。

 

LTEの技術的な特徴

LTEは下り方向にOFDMA(直交周波数分割多元接続)、上り方向にSC-FDMA(シングルキャリア周波数分割多元接続)を採用しています。

OFDMAは複数の周波数を並列に使うことで効率よくデータを送受信でき、3Gで使われていたCDMA方式と比べて電波の利用効率が大幅に向上しました。

 

また、音声通話にはVoLTE(Voice over LTE)というIP電話ベースの仕組みを使います。従来の3G回線に切り替えて音声を扱う方式(CSFB)から、LTE網の中だけで音声もデータも完結する方式へと進化しています。

 

「3.9G」と「4G」の関係

LTEは技術的にはITU(国際電気通信連合)が定義する「真の4G」の要件(下り1Gbps)を満たしていないため、正確には3.9Gに分類されます。

しかし2010年にITUがLTEを4Gと呼称することを認可し、以降は各キャリアが「4G LTE」の名称でサービスを展開しています。さらに高速化した規格がLTE-Advanced(4G+)で、こちらがITUの定義する真の4G要件を満たします。

▶ 移動通信規格の世代比較(クリックで展開)
世代 最大速度(目安) 主な用途 日本のサービス開始
1G アナログ音声通話 1979年
2G 数十kbps デジタル通話・メール・iモード 1993年
3G 数Mbps~14Mbps モバイルインターネット・動画 2001年
4G/LTE 100Mbps~1Gbps HD動画・アプリ・クラウド 2010年
5G 最大10Gbps IoT・自動運転・遠隔医療 2020年

ここだけは確実に押さえてください。

LTE(4G)は「3Gより速い」、5Gは「4Gより速い+超低遅延+多数同時接続」という違いです。

5Gが「3つの特徴を同時に実現する」のに対し、LTEは「速度の高速化」が主な進化ポイントです。

▶ LTEに関連する用語の整理(クリックで展開)

VoLTE(Voice over LTE):LTEのパケット通信網を使って音声通話を実現する技術。従来の3G回線への切り替えが不要になり、通話品質と接続速度が向上します。

 

キャリアアグリゲーション(CA):複数の周波数帯を束ねて同時に通信する技術。LTE-Advanced以降で採用され、理論上の通信速度をさらに引き上げます。

 

MVNO(仮想移動体通信事業者):自社で無線回線設備を持たず、ドコモやau等のキャリアの回線を借りてサービスを提供する事業者。LTE回線の「格安SIM」はこの仕組みで成り立っています。

 

ハンドオーバ:移動中の端末が、ある基地局のエリアから別の基地局のエリアに移動する際、通信を途切れさせずに接続先を切り替える仕組み。LTE/5G共通の基盤技術です。

では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

💡 LTE / 4Gの核心を3行で

・LTEは3Gを高速化した携帯電話の通信規格で、下り最大100Mbps以上を実現する
・厳密には3.9Gだが、ITU(国際電気通信連合)が4Gと呼称することを認可済み
・5Gが「速度+低遅延+同時接続」の3点セットなのに対し、LTEの主な進化は「速度の向上」


試験ではこう出る!

LTE / 4Gは、移動通信規格の定義を問う問題や、5Gとの比較問題の中で繰り返し登場しています。

出題パターンは大きく2つに分かれます。

📊 過去問での出題実績

試験回 出題内容 問われたポイント
IP H30春
問89
無線通信におけるLTEの説明として適切なものを選ぶ問題。 ・「第3世代より高速な携帯電話の無線通信規格」が正解
・アドホック接続・Bluetooth・フェムトセルがひっかけ
IP H31春
問73
LTEより高速で、多数接続・低遅延の特徴を持つ移動通信システムを選ぶ問題。 ・5Gが正解。LTEとの比較で5Gの優位性を問う
・MVNO・ブロックチェーン・8Kがひっかけ
AP R5春
午前 問35
モバイル通信で移動中に基地局を切り替える仕組みを問う問題。 ・「ハンドオーバ」が正解
・LTE/5Gの基盤知識として通信の仕組みを理解しているかが前提

📝 IPA試験での出題パターン

パターン1:「LTEの説明を選べ」
4つの無線通信技術の説明文が並び、LTEに該当するものを選ぶ形式。キーワードは「3Gより高速」「携帯電話の無線通信規格」。ひっかけとしてBluetooth(近距離通信)やアドホック接続(端末同士の直接通信)、フェムトセル(小型基地局)の説明が紛れ込みます。

 

パターン2:「LTEとの比較で5Gの特徴を選べ」
H31春ITパスポートのように、LTEを基準にして5Gの優位性を問う形式。「LTEよりも高速+多数接続+低遅延」の3点を満たすのが5Gという対比を知っていれば即答できます。

 

試験ではここまででOKです。OFDMAやSC-FDMAといった下位技術の詳細やVoLTEの仕組みまで問われることはIP・FEレベルではないので、深追いは不要です。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. 無線通信におけるLTE(Long Term Evolution)の説明として、最も適切なものはどれでしょうか?

  • A. 数メートルの範囲内でPCや周辺機器を接続するための近距離無線通信規格であり、ペアリングによる機器認証を行う。
  • B. 第3世代携帯電話(3G)を高速化した通信規格であり、下り最大100Mbps以上の高速データ通信を実現する携帯電話の無線通信方式である。
  • C. アクセスポイントを介さずに、無線LAN対応の端末同士が直接通信するネットワーク構成方式である。

正解と解説を見る

正解:B

解説:
LTE(Long Term Evolution)は、3Gを拡張した携帯電話の通信規格であり、下り最大100Mbps以上の高速通信を実現します。一般に4Gと呼ばれ、スマートフォン普及の基盤技術となりました。

選択肢AはBluetooth(ブルートゥース)の説明です。数メートル~数十メートルの近距離通信に特化した規格であり、携帯電話の通信回線とは別の技術です。選択肢Cはアドホック接続(アドホックモード)の説明です。無線LAN(IEEE 802.11)において、アクセスポイントなしで端末同士が直接通信する構成であり、移動通信規格とは異なります。


よくある質問(FAQ)

Q. LTEと4Gは厳密には別物なのですか?

技術的には別物です。ITU(国際電気通信連合)が当初定義した「真の4G」は下り1Gbps以上を要件としており、LTEはこれを満たしません。そのためLTEは正式には3.9Gに分類されます。しかし2010年にITUがLTEを4Gと呼ぶことを認可したため、市場では「LTE=4G」として定着しました。試験では「LTE=4Gの通信規格」と答えれば正解です。

Q. LTE-Advancedとは何ですか?

LTEをさらに高速化した規格で、キャリアアグリゲーション(複数の周波数帯を束ねて同時に通信する技術)を取り入れ、下り最大1Gbps以上を実現します。こちらがITUの定義する「真の4G」の要件を満たす規格です。各キャリアでは「4G+」や「PREMIUM 4G」といったブランド名で提供されています。IPA試験ではLTE-Advancedの詳細仕様まで問われることはないので、「LTEの上位版」と認識しておけば十分です。

Q. 日本で3Gサービスは終了していますか?

段階的に終了しています。KDDIは2022年3月、ソフトバンクは2024年4月に3Gサービスを終了しました。NTTドコモは2026年3月末での終了を予定しています。3Gの電波帯域は順次4Gや5Gに転用されており、今後はLTE以降の通信規格に完全に統一される流れです。

Q. フェムトセルとはLTEの一種ですか?

フェムトセルはLTEの一種ではなく、電波の届きにくい屋内に設置する小型基地局のことです。自宅やオフィスのブロードバンド回線に接続して、半径数十メートル程度の範囲を携帯電話のサービスエリアとして補完します。H30春ITパスポート問89でもLTEのひっかけ選択肢として登場しているので、混同しないよう注意してください。