対象試験と出題頻度

RARP(逆アドレス解決プロトコル)は、基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。

ARP(アドレス解決プロトコル)との方向の違いを正確に区別できるかが問われるポイントで、ICMPDNSNATなどの説明がひっかけ選択肢として定番化しています。

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対象試験:
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★★☆☆
ランクB(標準)覚えておくと有利

用語の定義

情報処理試験を勉強していると、「ARPは分かったけど、RARPって何?何が逆なの?」と混乱しがちです。

RARP(Reverse Address Resolution Protocol:逆アドレス解決プロトコル)とは、一言で言うと

 「MACアドレスから対応するIPアドレスを取得するためのプロトコル」

のことです。

イメージとしては、「自分の顔(MACアドレス)は分かるが、自分の住所(IPアドレス)を忘れてしまったので、管理人に教えてもらう」こと。

ARPが「住所から顔を調べる」のに対し、RARPは「顔から住所を調べる」――名前の通り、ARPとまったく逆方向のアドレス解決を行うプロトコルです。

📊 RARP の基本情報

項目 内容
正式名称 Reverse Address Resolution Protocol
日本語名 逆アドレス解決プロトコル
変換の方向 MACアドレス → IPアドレス(ARPとは逆方向)
技術規格 RFC 903

解説

ネットワーク上の通信では、データの最終的な宛先を特定するIPアドレスと、隣接機器間の転送に使うMACアドレスの両方が必要です。

通常の端末は起動時に自分のIPアドレスを設定ファイルやOSの設定から読み取れますが、ハードディスクを持たないディスクレスワークステーションのような機器は、IPアドレスを自分自身で保持できません。

 

RARPが登場した背景

ディスクレス端末はNIC(ネットワークインタフェースカード)に書き込まれたMACアドレスだけを手がかりに起動します。

 

しかしTCP/IPで通信するにはIPアドレスが必要です。

そこで、MACアドレスをネットワーク上にブロードキャストし、RARPサーバーから対応するIPアドレスを受け取る仕組みが考案されました。これがRARPです。

▶ RARPの動作手順(クリックで展開)

端末は自身のMACアドレスを含む「RARPリクエスト」をブロードキャストで送信します。

ネットワーク上のRARPサーバーは、MACアドレスとIPアドレスの対応表を保持しており、受信したMACアドレスに対応するIPアドレスを「RARPリプライ」としてユニキャストで返します。

 

ARPがブロードキャストで「このIPアドレスの持ち主は誰?」と問い合わせるのに対し、RARPは「このMACアドレスに対応するIPアドレスは?」と問い合わせる点が逆です。

いずれもデータリンク層で動作し、パケットフォーマットもほぼ同一の構造を持っています。

 

現在はDHCPに置き換えられている

RARPには「IPアドレスしか取得できない」「サーバーを各ネットワークセグメントに設置する必要がある」という制約がありました。

その後、IPアドレスだけでなくサブネットマスクデフォルトゲートウェイなど複数の設定情報をまとめて配布できるBOOTPが登場し、さらにその発展形としてDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)が普及しました。

現在のネットワークではRARPが使われることはほぼなく、DHCPが標準です。

 

ここだけは確実に押さえてください。

 「MACアドレス → IPアドレス = RARP」

 「IPアドレス → MACアドレス = ARP」

この対比が頭に入っていれば、試験本番で迷うことはありません。

 

では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

💡 RARPの核心を3行で

・MACアドレスからIPアドレスを取得するプロトコル(ARPとは逆方向)
・ディスクレス端末がIPアドレスを知るために考案された
・現在はDHCPに置き換えられているが、試験では定番の出題テーマ


試験ではこう出る!

RARPは、TCP/IP関連プロトコルの定義を問う問題として繰り返し出題されています。

出題パターンは主に2つに分かれます。

📊 過去問での出題実績(クリックして表示)
試験回 出題内容 問われたポイント
AP H22秋
午前 問36
RARPの説明として適切なものを選ぶ問題。 ・「MACアドレスを基にIPアドレスを問い合わせる」が正解
・ARPの説明やICMPの説明がひっかけ
AP H30春
午前 問34
RARPの機能として適切なものを選ぶ問題。 ・ICMP・DNS・NATの説明がひっかけ選択肢
・FE R3免除 問34と同一問題
FE R3免除
問34
RARPの機能として適切なものを選ぶ問題(AP H30春と同一の流用問題)。 ・FE・AP間で同一問題が出回る典型例
・「MACアドレスからIPアドレスを求める」を即答できるかがカギ

📝 IPA試験での出題パターン

パターン1:「RARPの説明(機能)を選べ」
4つのプロトコルの説明文が並び、RARPに該当するものを選ぶ形式。ひっかけとしてARPの説明(IPアドレス→MACアドレス)が必ず紛れ込む。「MACアドレスからIPアドレスを求める」という表現を見つければ正解。

 

パターン2:「ARPの説明を選べ」の選択肢にRARPが登場
ARPを正解とする問題の不正解選択肢として、RARPの説明が置かれるケース。ARPとRARPの方向を取り違えさせる典型的なひっかけで、FE R4免除 問30やAP R元秋 問33がこの形式。

 

試験ではここまででOKです。RARPの内部動作やRFC 903の詳細まで問われることはないので、深追いは不要です。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. TCP/IPネットワークにおけるRARPの機能として、最も適切なものはどれでしょうか?

  • A. IPアドレスを基に、対応するMACアドレスをネットワーク上に問い合わせて取得する。
  • B. IPパケットの配送中にエラーが発生した場合、送信元にエラー情報を通知する。
  • C. MACアドレスを基に、対応するIPアドレスをネットワーク上に問い合わせて取得する。

正解と解説を見る

正解:C

解説:
RARPは、自装置のMACアドレスをネットワークにブロードキャストし、RARPサーバーから対応するIPアドレスを受け取るプロトコルです。「MACアドレス → IPアドレス」という変換方向がキーワードになります。

選択肢AはARP(Address Resolution Protocol)の説明です。ARPは「IPアドレス → MACアドレス」の方向で解決を行うため、RARPとは逆です。選択肢BはICMP(Internet Control Message Protocol)の説明です。ICMPはIPパケットの配送エラーや到達確認(pingなど)に使われるプロトコルであり、アドレス解決とは無関係です。


よくある質問(FAQ)

Q. RARPとBOOTPとDHCPの関係を整理すると?

3つは「IPアドレスの自動取得」という共通の目的を持つ技術の進化系列です。RARPは最も古く、MACアドレスからIPアドレスだけを返す単機能のプロトコルでした。BOOTPはRARPの後継で、IPアドレスに加えてサブネットマスクやブートファイルの場所も配布できるようになりました。DHCPはBOOTPをさらに拡張し、IPアドレスの動的な割当て・リース管理・再利用を自動化したプロトコルです。現在のネットワークではDHCPが標準であり、RARPとBOOTPは歴史的な技術として扱われます。

Q. 「ディスクレスワークステーション」とは何ですか?

ハードディスクやSSDなどのローカルストレージを持たない端末のことです。OS自体をネットワーク経由でサーバーからダウンロードして起動するため、端末側にIPアドレスの設定ファイルを保存できません。現在ではシンクライアントと呼ばれる端末がこの概念に近く、PXE(Preboot Execution Environment)ブートとDHCPの組み合わせで起動するのが一般的です。

Q. RARPはOSI参照モデルのどの層で動作しますか?

ARPと同様に、データリンク層(第2層)で動作します。Ethernetフレームのタイプフィールドに、ARPは0x0806、RARPは0x8035というプロトコル番号が割り当てられています。IPより下の層で動くため、IPアドレスを持っていない段階でも通信できるという点がRARPの設計上の特徴です。