対象試験と出題頻度

レプリケーションは、情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。

データベースの耐障害性や災害復旧(DR)に関する問題で登場し、バックアップ・ミラーリングとの違いを正確に区別できるかが問われます。

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対象試験:
情報セキュリティマネジメント
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★☆☆☆
ランクC(応用)余裕があれば覚える

用語の定義

レプリケーション(Replication)とは、一言で言うと

 「データベースの変更内容を、ネットワーク上の別サイトにある複製データベースへ自動的に反映させることで、耐障害性を高める仕組み」

のことです。

イメージとしては、「本社の重要書類を、そのまま支社にもリアルタイムでコピーし続けること」と同じです。

本社が災害で使えなくなっても、支社に同じ内容の書類が揃っていれば業務をすぐに再開できる発想がレプリケーションの本質です。

解説

企業のデータベースは、サーバ障害や自然災害によって利用できなくなるリスクを常に抱えています。復旧までに何時間もかかれば、売上損失や顧客離れに直結します。

レプリケーションは、この復旧時間を極限まで短縮するために生まれた技術です。

元のデータベースが使えなくなった場合、複製側にすぐ切り替えることで業務を継続できます。

 

バックアップ・ミラーリングとの違い

ここだけは確実に押さえてください。3つの用語は「データの複製」という共通点がありますが、以下のように整理できます。

比較項目 レプリケーション バックアップ ミラーリング(RAID1)
目的 災害時に即座に切替え 障害後にデータを復旧 ディスク故障に備える
複製先 ネットワーク上の別サイト テープ・外部ストレージ等 同一サーバ内の別ディスク
反映 リアルタイム/短間隔 定期的(日次・週次等) 同時書き込み
弱点 論理破損もそのまま複製 取得後の更新は失われる サーバごと被災すると無力

では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

 

💡 レプリケーションの核心を3行で

・DBの変更を別サイトの複製DBへ自動反映する仕組み
・災害時にシステムの長時間停止を防ぐことが最大の目的
・バックアップは「復旧用の保存」、ミラーリングは「同一拠点のディスク多重化」と区別する


試験ではこう出る!

レプリケーションは、データベースの耐障害性や災害復旧を題材にした問題で登場します。

出題パターンは大きく3つに分かれます。

📊 過去問での出題実績(クリックして表示)
試験回 出題内容 問われたポイント
AP H24春
午前 問56
レプリケーションが有効な対策となるものを選ぶ問題。 ・「災害発生時のシステム長時間停止を防ぐ」が正解
・改ざん防止やウイルス対策は対象外
AP H23秋
午前 問33
複製DBにデータを非同期で反映する手法を選ぶ問題。 ・2相コミットメント・クラスタリング・ミラーリングとの区別
・「非同期に反映」がキーワード
SG R6
科目B 問14
論理破損+バックアップテープ破損時の再発防止策を選ぶ問題。 ・レプリケーションは論理破損をそのまま複製するため不正解
・「レプリケーションの弱点」を理解しているかを問う
AP R5秋
午前 問43
ランサムウェア対策として有効なものを選ぶ問題。 ・常時接続のレプリケーションは暗号化被害が複製にも及ぶため不正解
・WORM機能が正解

📝 IPA試験での出題パターン

パターン1:「レプリケーションの説明を選べ」
バックアップ・ミラーリング・2相コミットメント等の説明が並び、レプリケーションに該当するものを選ぶ形式。「別サイトの複製DBに自動反映」「非同期」がキーワードです。

 

パターン2:「レプリケーションが有効な場面を選べ」
災害対策・改ざん防止・ウイルス対策など複数の場面が選択肢に並ぶ形式。レプリケーションが効くのは「物理的な障害・災害によるシステム停止」に限定されます。

 

パターン3:「レプリケーションでは防げない脅威を見抜く」
近年はこのパターンが増えています。論理破損やランサムウェアの暗号化はそのまま複製に反映されるため、レプリケーションだけでは防げません。この弱点を知っているかが問われます。

 

試験ではここまででOKです。「物理障害・災害には有効、論理破損・ランサムウェアには無効」という切り分けを押さえれば得点できます。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. データベースの耐障害性を高める技術であるレプリケーションの説明として、最も適切なものはどれでしょうか?

  • A. 同一サーバ内の2台のディスクに同時に同じデータを書き込み、片方のディスクが故障してもデータを保護する。
  • B. データベースの内容を定期的にテープ媒体に複写し、ディスク障害時に過去の時点に復旧できるようにする。
  • C. データベースに加えた変更を、ネットワーク上の別サイトにある複製データベースへ自動的に反映させる。

正解と解説を見る

正解:C

解説:
レプリケーションは、データベースの変更内容をネットワーク経由で別サイトの複製データベースへ自動反映する技術です。元のサイトが災害等で使えなくなっても、複製側で業務を継続できます。

選択肢Aはミラーリング(RAID1)の説明です。同一拠点内のディスク障害には有効ですが、サーバごと被災した場合には対応できません。選択肢Bはバックアップの説明です。定期的な複写であるため、復旧できるのはバックアップ取得時点のデータまでに限られます。


よくある質問(FAQ)

Q. レプリケーションの「同期」と「非同期」の違いは何ですか?

同期レプリケーションは、元のDBへの書き込みと同時に複製DBへも反映し、両方の書き込みが完了して初めてトランザクションを確定します。データの一貫性は高いですが、ネットワーク遅延の影響で処理速度が低下します。非同期レプリケーションは、元のDBへの書き込み完了後に一定の間隔で複製DBへ反映します。処理速度への影響は小さいですが、障害発生時に直近の更新が失われるリスクがあります。