対象試験と出題頻度
UPS(無停電電源装置)は、ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。
物理的セキュリティ対策やファシリティマネジメントの問題で登場し、自家発電装置・AVR・CVCFとの違いを正確に区別できるかが問われます。
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ITパスポート
情報セキュリティマネジメント
基本情報技術者
応用情報技術者
★★☆☆☆
ランクC(応用)余裕があれば覚える
用語の定義
UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)とは、一言で言うと
「停電や電源の瞬断が発生したとき、内蔵バッテリーから電力を供給し、システムを安全に終了させる時間を確保する装置」
のことです。
イメージとしては、「ノートPCのバッテリー」と同じです。
コンセントが抜けてもバッテリーがあればすぐには落ちず、作業を保存して安全にシャットダウンできる。
この「つなぎの電力」をサーバや業務機器に提供するのがUPSの役割です。
解説
サーバやネットワーク機器は、電源が突然遮断されると処理中のデータが破損したり、ファイルシステムに不整合が生じたりします。
UPSは、この「電源が途切れてからシステムを安全に止めるまでの時間」を稼ぐ装置です。
データセンターでは、UPSが電力を供給している間に自家発電装置を起動し、長時間の給電に切り替えるのが一般的な運用です。
UPSが守るのは「完全性」
情報セキュリティの3要素(CIA)のうち、UPSが直接守るのは完全性(Integrity)です。電源の瞬断によるデータの破損や消失を防ぎ、情報が正しい状態のまま維持されることを保証します。
併せて、システムが停止しない時間を確保するという意味で可用性(Availability)の向上にも貢献します。
関連する電源装置との比較
ここだけは確実に押さえてください。UPSと混同されやすい装置を整理します。
| 装置 | 正式名称 | 役割 |
|---|---|---|
| UPS | Uninterruptible Power Supply | 停電・瞬断時にバッテリーで短時間の電力を供給する |
| 自家発電装置 | — | 燃料で自己発電し長時間の電力を供給する。起動に数十秒かかるため瞬断には対処できない |
| AVR | Automatic Voltage Regulator | 電圧の変動を自動的に調整して安定させる。停電時の給電機能はない |
| CVCF | Constant Voltage Constant Frequency | 電圧と周波数の両方を安定させる装置。UPSと機能が重なる製品もある |
では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。
💡 UPSの核心を3行で
・停電や瞬断時にバッテリーから短時間の電力を供給する装置
・電源遮断によるデータ破損を防ぐ=完全性の確保が主な効果
・自家発電装置は「長時間給電」、UPSは「起動までのつなぎ」と区別する
試験ではこう出る!
UPSは、物理的セキュリティ対策やファシリティマネジメントの文脈で繰り返し出題されています。
出題パターンは大きく2つに分かれます。
📊 過去問での出題実績(クリックして表示)
| 試験回 | 出題内容 | 問われたポイント |
|---|---|---|
| FE サンプル 科目A 問33 |
UPSの導入で期待できる情報セキュリティ対策の効果を選ぶ問題。 | ・「電源の瞬断に起因するデータ破損を防ぐ」が正解 ・情報漏えい防止や改ざん防止はUPSの効果ではない |
| AP H26春 午前 問57 |
瞬断時の電力供給・停電時にシステム終了の時間を確保する装置を選ぶ問題。 | ・AVR、CVCF、自家発電装置との区別 ・「瞬断対応+短時間給電」がUPSの特徴 |
| IP H30春 問95 |
サーバへの電源供給停止リスクを低減する装置を選ぶ問題。 | ・DMZ、IDS、PKIとの区別 ・電源リスク低減=UPSと即答できるか |
| SG H30春 午前 問11 |
FEサンプル問33と同一の問題(流用)。UPS導入の効果を問う。 | ・FEサンプルと同じ選択肢構成 ・試験区分をまたいで繰り返し出題されている |
📝 IPA試験での出題パターン
パターン1:「UPSの効果を選べ」
情報漏えい防止・マルウェア感染防止・改ざん防止・データ破損防止の中から正しい効果を選ぶ形式。
UPSは電源保護の装置なので、「電源の瞬断に起因するデータ破損を防ぐ」が正解。
パターン2:「瞬断対応の装置を選べ」
AVR・CVCF・自家発電装置・UPSの4択で、停電や瞬断への対処装置を選ばせる形式。
自家発電装置は起動に時間がかかるため瞬断には対応できない点がひっかけの定番です。
試験ではここまででOKです。「UPS=瞬断・短時間停電への対応」「自家発電=長時間停電への対応」という役割の違いを覚えれば得点できます。
【確認テスト】理解度チェック
ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。
Q. UPS(無停電電源装置)の導入によって期待できる情報セキュリティ上の効果として、最も適切なものはどれでしょうか?
- A. サーバと端末間の通信を暗号化し、ネットワーク上の盗聴による情報漏えいを防ぐ。
- B. 停電や電源の瞬断が発生した際に、処理中のデータが破損することを防ぐ。
- C. ネットワーク上の不正な通信をリアルタイムで検知し、外部からの侵入を遮断する。
正解と解説を見る
正解:B
解説:
UPSは停電や瞬断時にバッテリーから電力を供給し、システムの安全な終了を可能にする装置です。これにより処理中のデータが壊れることを防ぎ、完全性を確保します。
選択肢AはVPN(Virtual Private Network)やTLS/SSLなど通信暗号化技術の効果です。UPSは電源保護装置であり、通信の暗号化機能はありません。選択肢CはIDS(侵入検知システム)やIPS(侵入防止システム)の説明です。ネットワーク監視はUPSの役割ではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. UPSだけで長時間の停電に耐えられますか?
耐えられません。UPSの給電時間は一般的に数分〜30分程度であり、長時間の電力供給を想定した装置ではありません。データセンターでは、UPSが数分間の電力を確保している間に自家発電装置を起動し、長時間の給電に切り替える二段構えの構成が標準です。UPSはあくまで「つなぎ」の役割です。
Q. UPSには種類がありますか?
大きく3つの給電方式があります。「常時商用給電方式」は通常時は商用電源をそのまま供給し、停電検知時にバッテリーに切り替えます。安価ですが切替え時にわずかな瞬断が発生します。「ラインインタラクティブ方式」はAVR機能を内蔵し、電圧変動の補正と停電時のバッテリー切替えの両方に対応します。「常時インバータ給電方式」は常にバッテリー経由で電力を供給するため、切替え時の瞬断がゼロです。サーバ用途では常時インバータ方式が最も信頼性が高いとされています。試験ではこの分類まで問われることはほぼないため、参考程度で構いません。
Q. UPSはBCP(事業継続計画)とどう関係しますか?
BCP策定においてUPSは「電源喪失リスクへの対策」として位置づけられます。自然災害で商用電源が断たれた場合でも、UPSと自家発電装置を組み合わせることで業務システムの稼働を継続できます。IPAの試験でもBCP・災害復旧(DR)を題材にした問題でUPSが言及されることがあるため、BCPとの関連を意識しておくと読解がスムーズになります。