対象試験と出題頻度

ZigBee(ジグビー)は、基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。

IoT向け無線通信規格の特徴を比較させる問題で登場し、「BLE(Bluetooth Low Energy)」や「Bluetooth Classic」「UWB」との違いを正確に区別できるかがポイントになります。

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対象試験:
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★☆☆☆
ランクC(応用)余裕があれば覚える

用語の定義

情報処理試験を勉強していると、「ZigBeeって何?BLEと何が違うの?」と混乱しがちです。

ZigBee(ジグビー)とは、一言で言うと

 「IEEE 802.15.4を下位層に使用し、低消費電力・低速で多数のデバイスをメッシュ接続できる近距離無線通信規格」

のことです。

イメージとしては、「ミツバチの伝言リレー」です。

 

1匹のミツバチが巣箱全体に叫ぶのではなく、隣のミツバチに小声で伝え、そのミツバチがさらに隣に伝える;

少ない体力(電力)でも多数の仲間に情報を届けられる。これがZigBeeの考え方です。実際、名前の由来もミツバチ(Bee)がジグザグに飛ぶ姿から来ています。

📊 ZigBeeの基本情報

項目 内容
下位層規格 IEEE 802.15.4(物理層・MAC層)
使用周波数帯 2.4GHz帯(世界共通)
転送速度 20kbps~250kbps(低速)
通信距離 約30m~100m程度
最大接続台数 理論上65,535台
主な用途 センサーネットワーク、スマートメーター、スマートホーム

解説

IoTの世界では、温度・湿度・照度などを計測するセンサーを工場やビルの各所に数百~数千個単位で設置し、データを収集する場面があります。

こうした環境では「高速で大量のデータを送る」ことよりも、「大量のデバイスを低コスト・省電力でつなぐ」ことの方がはるかに重要です。

 

ZigBeeは、まさにこの要件に応えるために設計された無線規格です。

 

メッシュネットワークが最大の武器

ZigBeeの最大の特長は、メッシュ型のネットワークトポロジーを構築できる点です。

各デバイスが中継役を兼ね、隣接するデバイスにデータをバケツリレーのように転送します。これにより、親機(コーディネータ)から遠い場所にあるセンサーでも、途中のデバイスを経由して間接的にデータを届けることができます。

 

1台が故障しても別の経路で通信を維持できるため、耐障害性が高い点もメッシュ型の利点です。

 

▶ BLEやBluetoothとの違いを整理(クリックで展開)

ここだけは確実に押さえてください。

ZigBeeとBLEは「省電力の近距離無線」という共通点がありますが、設計思想が異なります。

比較項目 ZigBee BLE Bluetooth Classic
下位規格 IEEE 802.15.4 Bluetooth 4.0以降 Bluetooth 3.0以前
通信速度 最大250kbps 最大2Mbps 最大3Mbps
接続台数 最大65,535台 数台程度 最大7台(スレーブ)
メッシュ 対応(標準機能) Bluetooth 5.0以降で対応 非対応
主な用途 センサーネットワーク、スマートホーム ウェアラブル、ビーコン イヤホン、キーボード

試験対策としては、

ZigBeeは「大量のデバイスをメッシュでつなぐセンサー向け」、

BLEは「スマートフォン連携の1対1通信向け」 と整理すれば十分です。

なお、ZigBeeの仕様策定はZigBeeアライアンス(現CSA: Connectivity Standards Alliance)が担当しており、物理層とMAC層はIEEE 802.15.4として標準化されています。

では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

💡 ZigBeeの核心を3行で

・IEEE 802.15.4を下位層に使う低消費電力・低速の近距離無線通信規格
・メッシュネットワークで最大65,535台のデバイスを接続でき、センサーネットワーク構築に最適
・Bluetooth Classicとの違いは「マスタ/スレーブのスター型」か「メッシュ型」か


試験ではこう出る!

ZigBeeは、無線通信規格の特徴を問う比較問題として応用情報技術者を中心に出題されています。

出題パターンは1つに絞られます。「ZigBeeの説明(特徴)はどれか」という形式で、他の無線規格の説明と混ぜて正しいものを選ばせる問題です。

📊 過去問での出題実績

試験回 出題内容 問われたポイント
AP H31春
午前 問11
ZigBeeの説明として適切なものを選ぶ問題。 ・「低消費電力で低速の通信」「センサーネットワーク」が正解キーワード
・Bluetooth、赤外線、トランシーバの説明がひっかけ
AU R3秋
午前II 問22
ZigBeeの特徴はどれかを選ぶ問題。 ・「IEEE 802.15.4を使用」「センサネットワーク・スマートメータ」が正解
・Bluetooth(スター型・マスタ/スレーブ)、DSRC(ETC)、UWB(映像配信)がひっかけ
NW H22秋
午前II 問1
AU R3秋 問22と同一問題(流用)。 ・高度試験間で同じ問題が流用される典型例

📝 IPA試験での出題パターン

パターン:「ZigBeeの説明(特徴)を選べ」
4つの無線通信規格の説明文が並び、ZigBeeに該当するものを選ぶ形式。ひっかけ選択肢の定番は以下の3つです。

 

・「マスタ1台+スレーブ最大7台のスター型」→ Bluetooth Classic
・「赤外線を利用したリモコン通信」→ IrDA
・「5.8GHz帯でETCに利用」→ DSRC

 

正解を見抜くキーワードは「IEEE 802.15.4」「低消費電力」「センサーネットワーク」の3つです。この組み合わせが出たらZigBee一択と判断して構いません。深追いは不要です。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. ZigBeeの特徴として、最も適切なものはどれでしょうか?

  • A. 2.4GHz帯を使用する無線通信方式であり、1台のマスタと最大7台のスレーブから成るスター型ネットワークを構成する。
  • B. 下位層にIEEE 802.15.4を使用する低消費電力の無線通信方式であり、センサーネットワークやスマートメーターなどへの応用が進められている。
  • C. 広い周波数帯にデータを拡散することによって高速な伝送を行う無線通信方式であり、近距離での映像や音楽配信に利用されている。

正解と解説を見る

正解:B

解説:
ZigBeeは、IEEE 802.15.4を下位層に使用し、低消費電力で多数のデバイスを接続するセンサーネットワーク向けの無線通信規格です。「IEEE 802.15.4」「低消費電力」「センサーネットワーク」がキーワードになります。

選択肢AはBluetooth Classic(従来のBluetooth)の説明です。Bluetoothは1台のマスタに最大7台のスレーブが接続するスター型構成であり、ZigBeeのメッシュ型とは構造が異なります。選択肢CはUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)の説明です。UWBは広帯域にデータを拡散して高速伝送を行う方式で、ZigBeeの低速通信とは真逆の特性を持ちます。


よくある質問(FAQ)

Q. ZigBeeはスマートフォンで使えますか?

一般的なスマートフォンにはZigBee通信モジュールが搭載されていないため、直接通信することはできません。スマートホーム製品でZigBeeを利用する場合は、ZigBee対応のハブ(ゲートウェイ)を経由してWi-Fi経由でスマートフォンから操作する構成が一般的です。スマートフォンに標準搭載されているBLEとの大きな違いはこの点です。

Q. ZigBeeとLPWAはどう違いますか?

通信距離が根本的に異なります。ZigBeeは通信距離30m~100m程度の近距離無線であり、建物内や工場内のセンサーネットワークに適しています。LPWAは数km~数十kmの広域通信が可能で、農地や河川など広範囲に設置されたセンサーのデータ収集に使われます。「建物内はZigBee、屋外の広域はLPWA」と覚えてください。

Q. ZigBeeの後継規格「Matter」とは何ですか?

Matter(マター)は、ZigBeeアライアンスを前身とするCSA(Connectivity Standards Alliance)が策定した、スマートホーム向けの統一通信規格です。Apple・Google・Amazonなどが共同で推進しており、メーカーや通信方式が異なるスマートホーム機器同士を相互運用できることを目指しています。IPA試験ではMatterまでは問われないので、参考程度で構いません。