コンピュータの五大装置は、すべてのコンピュータの土台となる最重要テーマです。ITパスポートから応用情報まで幅広く出題されるため、ここだけは確実に押さえてください。

対象試験と出題頻度

コンピュータの五大装置は、ITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。

五大装置の構成図やデータの流れを問う問題が定番であり、制御装置・演算装置・記憶装置の関係を正しく理解できているかがカギになります。

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対象試験:
ITパスポート
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★★★☆
ランクA(重要)必ず覚えておくべき

用語の定義

情報処理試験を勉強していると、「演算装置と制御装置って何が違うの?」「記憶装置ってメモリのこと?ハードディスクのこと?」と混乱しがちです。

コンピュータの五大装置とは、一言で言うと

 「コンピュータを構成する演算装置・制御装置・記憶装置・入力装置・出力装置の5つの基本要素

のことです。

イメージとしては、レストランの厨房です。

注文票(入力装置)でお客さんの注文を受け取り、レシピ帳(記憶装置)を見ながら、シェフ(演算装置)が調理し、ヘッドシェフ(制御装置)が段取りを指示し、完成した料理を配膳口(出力装置)から提供する。

この5つの役割が揃って初めて、レストランが回ります。コンピュータもまったく同じ構造です。

📊 コンピュータの五大装置の基本情報

項目 内容
正式名称 コンピュータの五大装置(五大機能)
構成要素 演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置、出力装置
提唱者 ジョン・フォン・ノイマン(ノイマン型アーキテクチャ)
CPUとの関係 演算装置 + 制御装置 = CPU(中央処理装置)

解説

現在のほぼすべてのコンピュータは、1945年にジョン・フォン・ノイマンが提唱した「プログラム内蔵方式(ノイマン型アーキテクチャ)」に基づいています。

この方式の根幹となるのが、5つの装置による役割分担です。

5つの装置の役割

各装置には明確な役割があります。以下の表で一覧化します。

装置名 役割 具体例
制御装置 主記憶から命令を取り出し、解読して他の装置に指示を出す。コンピュータ全体の司令塔 CPU内の制御ユニット
演算装置 四則演算、論理演算、比較演算などの計算処理を行う CPU内のALU(算術論理演算装置)
記憶装置 プログラムやデータを記憶する。主記憶装置と補助記憶装置に分かれる メインメモリ(RAM)、HDD、SSD
入力装置 外部からデータや命令をコンピュータに取り込む キーボード、マウス、スキャナー
出力装置 処理結果を外部に表示・出力する ディスプレイ、プリンター、スピーカー

ポイントは、制御装置と演算装置を合わせてCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)と呼ぶ点です。

CPUは「コンピュータの頭脳」とよく表現されますが、正確には「指示を出す制御」と「計算を行う演算」の2機能を1つのチップに統合したものです。

図解:五大装置のデータの流れと制御の流れ

五大装置の間には「データの流れ」と「制御の流れ」の2種類の接続があります。制御装置がすべての装置に対して指示を出し、データは入力→記憶→演算→記憶→出力の順で流れます。

五大装置の全体構成図

CPU(中央処理装置)

制御装置

命令の解読・指示

→ 指示 →

演算装置

計算・論理演算

命令・データの読み書き

入力装置

キーボード等

記憶装置

主記憶(RAM)
補助記憶(HDD/SSD)

出力装置

ディスプレイ等

※ 制御装置は上記すべての装置に対して指示(制御信号)を送る

→ / ↕ 青矢印 = データの流れ(入力→記憶⇄CPU→記憶→出力)

※ 赤文字 = 制御の流れ(制御装置→全装置への指示)

主記憶装置と補助記憶装置の違い

記憶装置はさらに「主記憶装置」と「補助記憶装置」の2階層に分かれます。

CPUが直接読み書きできるのは主記憶装置だけです。補助記憶装置のデータは、一度主記憶に読み込んでからCPUが処理します。

種類 速度 電源OFF時 具体例
主記憶装置 高速 データ消失(揮発性) DRAM(メインメモリ)
補助記憶装置 低速 データ保持(不揮発性) HDD、SSD、USBメモリ

命令実行の流れ(命令実行サイクル)

CPUは主記憶装置から命令を1つずつ取り出し、解読・実行を繰り返します。

この一連の手順を「命令実行サイクル」と呼びます。

命令実行サイクルの流れ

①命令フェッチ
主記憶から命令を
取り出す
②命令の解読
デコーダが
命令を解読
③対象データ読出し
主記憶からデータを
取得
④命令の実行
演算装置が
計算を実行
⑤結果格納
演算結果を
主記憶に書き戻す

▲ ①〜⑤を繰り返すことでプログラムが実行される

命令は主記憶(記憶装置)から取り出され、制御装置内のデコーダで解読されます。この「取り出し元=記憶装置」「解読先=制御装置」というペアは、過去問でも直接問われる定番知識です。

では、この知識が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

💡 五大装置の核心を3行で

・演算装置・制御装置・記憶装置・入力装置・出力装置の5つで構成される
・制御装置+演算装置=CPU。制御が司令塔、演算が計算担当
・命令は記憶装置から取り出され、制御装置で解読される


試験ではこう出る!

五大装置は、IP・FE・APの科目A(午前)問題で繰り返し出題されています。出題パターンは大きく2つです。

📊 過去問での出題実績

試験回 出題内容 問われたポイント
FE R3免除
問12
命令はどの装置から取り出され、どの装置で解釈されるか ・取り出し=記憶装置、解釈=制御装置
・「演算装置」をひっかけに配置
FE H18春
問26
五大装置の構成図の空欄a〜cに入る字句を選ぶ ・制御装置の位置=他装置への指示線がある箇所
・記憶装置=入出力装置とデータをやり取りする箇所
IP H21秋
問72
五大機能の一部の説明として適切なものを選ぶ ・「演算機能は制御機能からの指示で演算処理を行う」が正解
・記憶→演算に依頼という記述がひっかけ
FE R5公開
問3
メモリインタリーブの説明を選ぶ(五大装置の周辺知識) ・主記憶を複数グループに分割して並列アクセス
・DMA・キャッシュとの混同がひっかけ

📝 IPA試験での出題パターン

パターン1:「構成図の穴埋め」
五大装置の構成図が提示され、空欄に入る装置名を選ぶ形式。制御装置の「他装置への指示線」と記憶装置の「データの中継点」を読み取れるかがカギ。FE H18春 問26が典型問題。

 

パターン2:「各機能の説明を選べ」
五大機能の関係について正しい説明文を選ぶ形式。「制御が演算に指示を出す」という上下関係を押さえていれば得点できる。「記憶装置が演算に依頼する」「演算装置が入出力と直接やり取りする」といった誤り選択肢に注意。

 

試験ではここまででOKです。レジスタやキャッシュの細かい構成は個別の出題テーマとして別に覚えれば十分なので、深追いは不要です。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. コンピュータの五大装置に関する説明として、最も適切なものはどれでしょうか?

  • A. 制御装置は、四則演算や論理演算などの計算処理を実行する装置である。
  • B. 演算装置は、制御装置からの指示に基づいてデータの計算・比較などの演算処理を行う装置である。
  • C. 記憶装置は、他のすべての装置に命令を出して動作を統括する装置である。

正解と解説を見る

正解:B

解説:
演算装置は制御装置からの指示を受けて、四則演算・論理演算・比較演算を実行する装置です。制御装置が「何をするか」を決め、演算装置が「実際に計算する」という役割分担がポイントです。

選択肢Aは演算装置の説明を制御装置にすり替えた誤りです。制御装置は計算そのものは行わず、命令の解読と他装置への指示が役割です。選択肢Cは制御装置の説明を記憶装置にすり替えた誤りです。記憶装置はプログラムやデータを保持する装置であり、他の装置に命令を出す機能は持ちません。


よくある質問(FAQ)

Q. GPUは五大装置のどれに該当しますか?

GPUは画像処理に特化した演算装置(プロセッサ)の一種です。五大装置の分類上は「演算装置」に該当します。CPUが汎用的な計算を担うのに対し、GPUは並列計算に強い点が特徴です。IPA試験の範囲では「プロセッサの一種」と理解していれば十分です。

Q. タッチパネルは入力装置?出力装置?

タッチパネルは入力装置と出力装置の両方の機能を兼ね備えた装置です。画面に映像を表示する出力機能と、指での操作を受け付ける入力機能を1つの装置で実現しています。試験で問われた場合、文脈に応じて「入力装置としての側面」か「出力装置としての側面」かを判断してください。

Q. ノイマン型ではないコンピュータは存在しますか?

存在します。「非ノイマン型」と呼ばれるアーキテクチャが代表例で、量子コンピュータやニューラルネットワーク専用プロセッサなどが該当します。ノイマン型は「命令とデータを同じ記憶装置に置き、逐次実行する」方式ですが、非ノイマン型はこの制約を持ちません。ただし、IPA試験で非ノイマン型が深掘りされることは稀なので、「ノイマン型=五大装置=プログラム内蔵方式」という対応を押さえておけば問題ありません。

Q. 「五大装置」と「五大機能」は違うものですか?

同じ概念を別の角度から呼んでいるだけです。物理的なハードウェアの観点で呼ぶときは「五大装置」、機能面に着目して呼ぶときは「五大機能」です。IPAの過去問では「五つの機能」「五大装置」の両方の表記が登場しますが、指している内容は同一です。