対象試験と出題頻度

TELNET(テルネット)は、基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。

アプリケーション層のプロトコルを識別する問題の選択肢として繰り返し登場しており、「FTP」「SMTP」「HTTP」との機能の違いを正確に区別できるかが問われます。

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対象試験:
基本情報技術者
応用情報技術者
出題頻度:
★★★☆☆
ランクB(標準)覚えておくと有利

用語の定義

情報処理試験を勉強していると、「TELNETって何?SSHとどう違うの?」と混乱しがちです。

TELNET(Teletype Network)とは、一言で言うと

 「ネットワーク経由で遠隔地のコンピュータにログインし、コマンド操作を行うための仮想端末プロトコル」

のことです。

イメージとしては、「離れた場所にあるパソコンの前に、透明な長い腕を伸ばしてキーボードを直接叩いている」状態です。

自分の手元の端末(クライアント)から入力した文字が、そのまま遠隔地のサーバーに送られ、サーバーの画面出力が手元に返ってくる。

これがTELNETの基本的な動作です。

📊 TELNETの基本情報

項目 内容
英語名 Teletype Network(TELecommunication NETworkとも)
ポート番号 TCP 23番
技術規格 RFC 854(TELNET Protocol Specification)
最大の特徴 通信内容が暗号化されない(平文送信)

解説

TELNETは1969年に登場した、インターネットの中でも最も古いプロトコルの一つです。

当時はネットワーク上のセキュリティリスクが今ほど深刻ではなく、離れた場所にある高価なコンピュータを複数人で共有するために「遠隔操作」の仕組みが求められていました。

 

なぜTELNETは使われなくなったのか

TELNETの通信は暗号化されません。ユーザー名、パスワード、実行コマンド、その応答――すべてが平文(クリアテキスト)のままネットワーク上を流れます。

つまり、通信経路上でパケットを傍受(盗聴)されると、認証情報がそのまま読み取られてしまいます。

インターネットの普及とともにこのリスクは無視できなくなり、現在では暗号化通信に対応したSSH(Secure Shell、TCP 22番)がリモートログインの標準として置き換わっています。

 

▶ TELNETとSSHの比較(クリックで展開)
比較項目 TELNET SSH
ポート番号 TCP 23番 TCP 22番
暗号化 なし(平文) あり(公開鍵暗号等)
認証方式 パスワード(平文送信) パスワード/公開鍵認証
用途 現在は非推奨(検証用途等に限定) リモートログインの標準

ここだけは確実に押さえてください。TELNETは「暗号化なし」、SSHは「暗号化あり」。この一点が両者を分ける決定的な違いです。

TELNETが今も残っている場面

セキュリティ上は非推奨ですが、TELNETが完全に消えたわけではありません。

ネットワークエンジニアがサーバーの特定ポートへの接続確認(疎通テスト)を行う際に「telnetコマンド」を使うケースは今でもあります。

これはTELNETプロトコルとしての利用ではなく、指定ポートへTCP接続できるかを手軽に確認するツールとしての使い方です。

 

では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。

💡 TELNETの核心を3行で

・ネットワーク経由で遠隔地のコンピュータを操作する仮想端末プロトコル(TCP 23番)
・通信内容は暗号化されず平文で送信されるため、現在はSSH(TCP 22番)に置き換わっている
FTPは「ファイル転送」、SMTPは「メール送信」、TELNETは「リモートログイン」と整理する


試験ではこう出る!

TELNETは、アプリケーション層プロトコルの機能を識別させる問題で繰り返し出題されています。

出題パターンは大きく2つに分かれます。

📊 過去問での出題実績(クリックして表示)
試験回 出題内容 問われたポイント
FE H23特別
午前 問41
ホストにリモートログインし、遠隔操作ができる仮想端末機能を提供するプロトコルを選ぶ問題。 ・FTP、HTTP、SMTPとの機能の違い
・「仮想端末機能」=TELNETと即答できるか
FE H16春
午前 問61
H23特別 問41と同一の問題(流用問題)。 ・問題構成・選択肢ともに完全一致
・繰り返し出される定番問題
AP R4春
午前 問33
UDPを使用しているプロトコルを選ぶ問題。選択肢にFTP、NTP、POP3、TELNETが並ぶ。 ・TELNETはTCP使用と知っていれば除外できる
・正解はNTP(UDP 123番)

📝 IPA試験での出題パターン

パターン1:「リモートログインのプロトコルを選べ」
FTP・HTTP・SMTP・TELNETの4択が並び、「仮想端末機能」「リモートログイン」に該当するものを選ばせる形式。キーワードは「遠隔操作」「仮想端末」。

 

パターン2:「プロトコルの特徴(ポート番号・TCP/UDP)を問う」
AP R4春のように、各プロトコルがTCPとUDPのどちらを使用するかを問う形式。TELNETはTCP 23番であることを覚えておけば正誤の判断材料になる。

 

試験ではここまででOKです。「リモートログイン=TELNET」「TCPポート23番」「暗号化なし→SSHに置き換え」の3点を押さえれば得点できます。


【確認テスト】理解度チェック

ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。


Q. TCP/IPネットワークで利用されるプロトコルのうち、ホストにリモートログインして遠隔操作ができる仮想端末機能を提供するものはどれでしょうか?

  • A. ネットワーク上でファイルの転送(アップロード・ダウンロード)を行うためのプロトコルである。
  • B. 遠隔地のコンピュータにネットワーク経由でログインし、コマンドによる操作を可能にする仮想端末プロトコルである。
  • C. インターネット環境において、クライアントからメールサーバへ電子メールを送信・転送するためのプロトコルである。

正解と解説を見る

正解:B

解説:
TELNETは、ネットワーク経由で遠隔地のコンピュータにログインし、仮想端末としてコマンド操作を行うためのプロトコルです。「リモートログイン」「仮想端末」がキーワードになります。

選択肢AはFTP(File Transfer Protocol)の説明です。ファイルのアップロード・ダウンロードを行うプロトコルであり、リモートログイン機能は持ちません。選択肢CはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)の説明です。電子メールの送信・転送を担うプロトコルであり、遠隔操作とは無関係です。


よくある質問(FAQ)

Q. TELNETを使ったポート接続確認とは具体的に何をしていますか?

「telnet サーバーアドレス ポート番号」のようにコマンドを実行し、指定したポートにTCPコネクションが確立できるかを確認する作業です。たとえば「telnet mail.example.com 25」と実行すれば、メールサーバーのSMTPポートが応答するかを手軽にテストできます。これはTELNETプロトコルとしてのリモートログインではなく、TCPの疎通確認ツールとしての利用です。

Q. TELNETのポート番号23は試験で覚える必要がありますか?

覚えておくべきです。ウェルノウンポート番号の問題はFE・APともに定番で、「20/21=FTP」「22=SSH」「23=TELNET」「25=SMTP」「53=DNS」「80=HTTP」「110=POP3」「443=HTTPS」はセットで整理しておくと複数の問題で得点につながります。

Q. TELNETはOSI参照モデルのどの層に位置しますか?

アプリケーション層(第7層)です。TCP/IPモデルでも同様にアプリケーション層に分類されます。FTPやSMTP、HTTPと同じ層で動作し、トランスポート層のTCPの上で通信を行います。