情報処理試験を勉強していると、「ミラーリングって結局何?RAIDとどう関係するの?」と混乱しがちです。この記事ではミラーリングの仕組みを日常の例え話と図解で噛み砕き、試験で得点できるレベルまで一気に引き上げます。
対象試験と出題頻度
ミラーリングは、基本情報技術者・応用情報技術者で出題されるテーマです。
RAID各レベルの特徴を比較させる定番問題として繰り返し出題されており、RAID0(ストライピング)やRAID5との違いを正確に区別できるかが問われます。
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基本情報技術者
応用情報技術者
★★★★☆
ランクA(重要)必ず覚えておくべき
用語の定義
ミラーリング(Mirroring)とは、一言で言うと
「同じデータを2台のディスクに同時に書き込み、片方が故障してももう片方でデータを保持する冗長化技術」
のことです。RAIDのレベル分類では RAID1 に該当します。
イメージとしては、「大事な書類をコピー機で複製して、自宅と職場の両方に保管しておく」ことと同じです。
自宅が火事になっても、職場に同じ書類が残っているので仕事は止まりません。
ミラーリングもこれと同じ発想で、ディスク1台が壊れてもシステムを止めずに済む仕組みです。
📊 ミラーリングの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 英語名 | Mirroring / Disk Mirroring |
| RAIDレベル | RAID1 |
| 主な目的 | ディスク障害時のデータ保全と可用性の向上 |
| 記憶効率 | 50%(2台で1台分の容量しか使えない) |
解説
サーバやストレージでは、ディスクが物理的に壊れるリスクが常にあります。業務システムのデータが消えてしまえば、復旧に膨大な時間とコストがかかります。
この問題に対処するために考えられたのが、複数のディスクを組み合わせて冗長性を持たせる RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks) という技術です。ミラーリングはRAIDの中で最もシンプルな冗長化方式として位置づけられています。
ミラーリングの書き込みの仕組み
データの書き込み時、コントローラは受け取ったデータをそのまま2台のディスクへ同時に書き込みます。読み込み時はどちらか一方から読み出せばよいため、読み取り性能はやや向上します。
一方、書き込みは常に2台分の処理が発生するため、速度面のメリットはありません。
ミラーリング(RAID1)の書き込みイメージ
↓ 書き込み
↓ 同じデータを書き込み
ディスク1
データ A
ディスク2
データ A(複製)
※ ディスク1が故障してもディスク2で運用を継続できる
RAID0・RAID5との比較
ミラーリングを正しく理解するには、他のRAIDレベルとの違いを押さえるのが近道です。
| 項目 | RAID0(ストライピング) | RAID1(ミラーリング) | RAID5 |
|---|---|---|---|
| 方式 | データを分割して複数ディスクに分散書き込み | 同じデータを2台に同時書き込み | データ+パリティを3台以上に分散書き込み |
| 冗長性 | なし(1台故障で全データ消失) | あり(1台故障でも継続可能) | あり(1台故障でもパリティで復元可能) |
| 記憶効率 | 100%(容量全体を利用可能) | 50%(半分はコピー用) | (n−1)/ n(パリティ1台分を除く) |
| 主な目的 | 高速化 | 信頼性向上 | 信頼性と速度のバランス |
RAID0 / RAID1 / RAID5 のディスク構成イメージ
RAID0(ストライピング)
A1
A3
A2
A4
分割して分散 → 高速
RAID1(ミラーリング)
A
B
A
B
同じ内容を複製 → 高信頼
RAID5(パリティ分散)
A1
P2
A2
B2
P1
B1
データ+パリティ(P)を分散
記憶容量の計算方法
ミラーリングでは同じデータを2台に書き込むため、利用可能な実効容量は全体の半分になります。
例えば、1Tバイトのディスクを2台用意しても、保存できるデータ量は1Tバイトです。「4Tバイトのデータを格納したい」場合、合計8Tバイト分のディスクが必要になります。この計算は試験で頻出なので、ここだけは確実に押さえてください。
📊 RAID1の実効容量計算
| 用意するディスク | ディスク1台の容量 | 合計容量 | 実効容量 |
|---|---|---|---|
| 2台 | 500GB | 1TB | 500GB |
| 8台(4組×2台) | 1TB | 8TB | 4TB |
では、この用語が試験でどのように出題されるか見ていきましょう。
💡 ミラーリングの核心を3行で
・RAID1に分類される冗長化技術で、2台のディスクに同一データを書き込む
・1台が故障しても残りの1台でシステムを継続運用でき、信頼性が向上する
・記憶効率は50%。格納したいデータ量の2倍のディスク容量が必要になる
試験ではこう出る!
ミラーリングは、FE・APの午前問題でRAIDレベルの分類・比較問題として繰り返し出題されています。
出題パターンは大きく2つに分かれます。
📊 過去問での出題実績
| 試験回 | 出題内容 | 問われたポイント |
|---|---|---|
| FE R1秋 午前 問15 |
「ミラーリングを用いることで信頼性を高め、障害発生時にデータ復元を行う方式はどれか」 | ・正解はRAID1 ・RAID2〜4がひっかけ選択肢 |
| AP H24春 午前 問14 |
上記FE R1秋 問15と同一構成の問題(流用)。 | ・FEとAPで同じ問題が出回る典型例 ・選択肢の文言もほぼ同一 |
| FE H29春 午前 問11 |
「4TバイトのデータをRAID1で格納するために必要な磁気記憶装置の台数」を問う計算問題。 | ・1Tバイト×8台が正解 ・実効容量=合計容量の半分という理解が必須 |
| IP H23秋 問82 |
RAID1の特徴として適切なものを選ぶ問題。 | ・「2台以上に同じデータを書き込み可用性を高める」が正解 ・ストライピング(RAID0)やRAID5の説明がひっかけ |
📝 IPA試験での出題パターン
パターン1:「RAIDレベルを選べ」
「ミラーリングで信頼性を高める方式はどれか」のように、RAID1〜5の中から正しいレベルを選ばせる形式。ひっかけとして「パリティを分散して書き込む」(RAID5)や「エラー訂正用のハミング符号を付加」(RAID2)が登場する。キーワードは「同じデータ」「2台」「信頼性」。
パターン2:「実効容量を計算せよ」
FE H29春 問11のように、「○Tバイトのデータを格納するために必要なディスク台数(1台あたりの容量は△Tバイト)」を問う形式。必要容量 = 格納したいデータ量 × 2 で計算し、それを1台あたりの容量で割るだけ。
試験ではここまででOKです。RAID2〜4の詳細な違いまで深追いする必要はありません。
【確認テスト】理解度チェック
ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう。
Q. RAIDの分類において、ミラーリングの説明として最も適切なものはどれでしょうか?
- A. 同じデータを2台のディスクに書き込むことで、1台が故障してもデータを保持でき、信頼性を向上させる方式である。
- B. データを分割して複数のディスクに分散書き込みすることで、読み書きのアクセス性能を向上させる方式である。
- C. データとパリティ情報を3台以上のディスクに分散して書き込み、信頼性と速度を両立させる方式である。
正解と解説を見る
正解:A
解説:
ミラーリング(RAID1)は、2台のディスクに同一データを書き込み、片方の故障時にもう片方で運用を継続する方式です。
選択肢Bはストライピング(RAID0)の説明です。RAID0はデータを分割して複数ディスクに並行書き込みすることで速度を上げますが、冗長性がなく、1台でも故障すると全データを失います。選択肢CはRAID5の説明です。RAID5はパリティ情報を分散配置して1台分の障害に耐えますが、ミラーリングのように「同じデータの完全な複製」を保持する方式ではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. ミラーリングで高まるのは「信頼性」と「可用性」のどちらですか?
どちらも高まります。ただし、試験の選択肢では文脈によって使い分けられます。IP H23秋 問82では「可用性を高める」、FE R1秋 問15では「信頼性を高め」という表現が使われました。ディスク障害時にサービスを止めずに済むという点では可用性、データを失わないという点では信頼性に関わります。試験ではどちらの表現が来ても対応できるよう、両面を意識しておくのが安全です。
Q. ミラーリングとバックアップは何が違いますか?
ミラーリングはリアルタイムでデータを複製し続ける仕組みです。一方、バックアップは特定の時点のデータを別のメディアに保存する作業です。ミラーリングはディスク故障への即時対応が目的であり、「誤って削除したファイルを復元する」用途には向いていません。削除操作もそのまま複製されるためです。実務では両者を併用するのが一般的です。
Q. RAID1は3台以上のディスクでも構成できますか?
構成できます。3台以上に同じデータを書き込めば、2台同時に故障してもデータは残ります。ただしコストが大きくなるため、一般的には2台構成が主流です。IPA試験の範囲では「2台に同じデータを書き込む」と覚えておけば得点に支障はありません。
Q. RAID0+1やRAID1+0(RAID10)とは何ですか?
RAID0とRAID1を組み合わせた構成です。RAID10はまずミラーリングでペアを作り、そのペアをストライピングで束ねることで、高速性と冗長性を両立させます。RAID0+1はその逆の順序です。IPA試験の午前問題では単独のRAID0・RAID1・RAID5の比較が中心で、複合構成は出題頻度が低いため、存在を知っていれば十分です。