QC7つ道具 / 新QC7つ道具の対象試験と出題頻度
QC7つ道具と新QC7つ道具、合わせて14個。
参考書を開いた瞬間に名前の多さで気持ちが折れた人は少なくないはずです。しかも似た名前の図法が並ぶため、覚えたつもりでも本番で入れ替わってしまう。
この14手法は、IP・FE・APの全区分で出題される定番テーマ。特にFEでは「〇〇図法を説明したものはどれか」という形式で、ほぼ毎回のように顔を出します。APでは業務シナリオを読ませて最適な図法を選ばせる応用型が主流。
まずは全体像を「数値」と「言語」の2グループに割り切ることから始めてください。
出題情報を確認する
ITパスポート試験(IP)
基本情報技術者試験(FE)
応用情報技術者試験(AP)
★★★★★
頻出度A(最重要テーマ)
QC7つ道具 / 新QC7つ道具の定義
「QC」はQuality Control(品質管理)の略。製造業の現場で品質改善のために使われてきた道具箱が、そのまま情報処理技術者試験の出題範囲に組み込まれています。
QC7つ道具は日本の品質管理運動の中で体系化され、後から「数値では表せない情報も扱いたい」という要請に応えて新QC7つ道具が加わりました。この成り立ちの違いが、そのまま両者の性格の違いになっています。
QC7つ道具 / 新QC7つ道具とは、
「数値データを分析する7手法と、言語データを整理する7手法からなる品質改善の道具群」
です。
飲食店に置き換えると、「1日のクレーム件数を種類別に数えて多い順に並べる」のがQC7つ道具の世界。
対して「お客様アンケートの自由記述コメントを似た意見どうしでまとめ、隠れた不満を浮かび上がらせる」のが新QC7つ道具の世界です。扱う素材が数字か言葉か、それだけの違いだと考えると全体像がつかみやすくなります。
📊 QC7つ道具 / 新QC7つ道具の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 英語表記 | Seven Basic Tools of Quality Control / Seven New QC Tools |
| 扱うデータ | QC7つ道具=数値(定量)データ/新QC7つ道具=言語(定性)データ |
| 主な目的 | 品質問題の発見・原因分析・対策立案・効果確認 |
| 試験分野 | ストラテジ系 > 企業活動 > 業務分析・データ利活用 |
| 覚え方の軸 | 名前に「〇〇図法」と付くものは新QC7つ道具側に多い |
QC7つ道具とは(数値データの7手法)
QC7つ道具は、測り取った数値を「集める・並べる・見比べる」ための道具です。
不良品の件数、処理時間、寸法のばらつきといった定量データが対象。
グラフや図表として可視化することで、勘や経験に頼らない判断ができるようになります。
新QC7つ道具とは(言語データの7手法)
一方の新QC7つ道具が扱うのは、会議の発言、顧客の声、ブレーンストーミングで出た意見といった言語データ。
数値化できない情報を構造化し、混沌とした状況から問題の本質や打ち手を導き出す役割を担います。
企画段階や上流工程で使われる場面が多いのも特徴。
両者の根本的な違い:「数値」か「言語」か
試験対策として押さえるべき軸はここに尽きます。
選択肢に「データを集計して」「度数を」「相関を」といった表現があればQC7つ道具側、「意見を」「情報を親和性で」「事象の関係を」といった表現があれば新QC7つ道具側を疑ってください。
筆者も受験時、14個の名前を丸暗記しようとして完全に挫折しました。この2グループに割り振った瞬間、記憶の負荷が半分になった感覚があります。
QC7つ道具・新QC7つ道具の全14手法をひと目で理解する図解
まずは14手法の所属と役割を一枚の図で俯瞰します。各手法に付けた短いキーワードが、そのまま試験での識別タグになります。
全14手法マッピング図
扱うデータの種類で2グループに分かれる
↓ 扱うデータで分岐
QC7つ道具(数値データ)
1 パレート図=重点化
2 特性要因図=原因体系化
3 ヒストグラム=ばらつき
4 散布図=相関
5 管理図=異常検出
6 チェックシート=記録・集計
7 層別=データ分類
新QC7つ道具(言語データ)
1 親和図法=グループ化
2 連関図法=因果関係
3 系統図法=手段展開
4 マトリックス図法=二元整理
5 アローダイアグラム=日程計画
6 PDPC法=不測事態対策
7 マトリックスデータ解析法=数値化分析 *
* マトリックスデータ解析法だけは新QC側で唯一数値を扱う例外
QC7つ道具:各手法の役割と一言キーワード
数値系7手法のうち、試験で名指しされるのは主に上位5つ。
パレート図は項目を件数の多い順に並べ、累積比率の折れ線を重ねて「どこから手を付けるか」を決める道具。
ヒストグラムは測定値を区間に区切って分布の形を見る道具で、並べ方の基準がまったく違います。
散布図は2つの変量の関係を点の散らばりで示し、管理図は時系列の値を管理限界線と照らして異常を検出します。
残るチェックシートは記録用の帳票、層別はデータを条件別に切り分ける考え方。
この2つは「図」ではないため、図法名を選ぶ問題では選択肢に登場しにくい傾向があります。
実務でも出番は多く、筆者はシステム障害の月次報告でパレート図を使い、全障害の約8割が上位3つの原因に集中している事実を可視化したことがあります。
感覚では「あちこちで問題が起きている」と思われていたものが、実は限られた原因の繰り返しだったと分かる瞬間は説得力が段違いです。
新QC7つ道具:各手法の役割と一言キーワード
言語系7手法は、使う場面の順序で覚えると定着します。
まず親和図法で散らばった意見をグループ化し、連関図法で複雑に絡んだ原因どうしの因果を矢印でつなぐ。
そこから系統図法で目的を手段へ枝分かれさせ、マトリックス図法で2つの要素を行と列に配置して対応関係を確認します。
計画段階に入ると、アローダイアグラムで作業順序と日程を組み、PDPC法で「うまくいかなかった場合」の分岐ルートを事前に描いておく。
最後のマトリックスデータ解析法は、新QC7つ道具で唯一数値を扱う手法で、多変量データを主成分分析などで整理します。この例外性そのものが出題ポイントになることも。
試験で混同しやすい「そっくり手法」の見分け方
誤答の大半は、次の4ペアのどこかで発生します。
表は「共通点」の列を先に読み、なぜ引っかかるのかを理解してから「決定的な違い」に進むと記憶に残りやすくなります。
📊 混同しやすい手法の比較表
| 手法A | 手法B | 共通点(混同の原因) | 決定的な違い | 見分けキーワード |
|---|---|---|---|---|
| パレート図 旧QC |
ヒストグラム 旧QC |
どちらも件数を棒グラフで表す | パレート図は項目を大きい順に並べ累積線を重ねる。ヒストグラムは値の区間順に並べ分布の形を見る | 「重点」「累積」→パレート図 「ばらつき」「分布」→ヒストグラム |
| 特性要因図 旧QC |
連関図法 新QC |
どちらも原因を洗い出す | 特性要因図は1つの結果に向かう魚の骨型の階層構造。連関図法は原因どうしが絡み合うネットワーク構造 | 「魚の骨」「体系的」→特性要因図 「複雑」「相互に絡む」→連関図法 |
| 散布図 旧QC |
管理図 旧QC |
どちらも平面に点を打つ | 散布図は縦横とも測定値で相関を見る。管理図は横軸が時間で、管理限界線から外れた点を異常とみなす | 「2種類のデータの関係」→散布図 「時系列」「限界線」→管理図 |
| 親和図法 新QC |
系統図法 新QC |
どちらも言語データをカードで整理する | 親和図法は似た情報をまとめて問題を発見する。系統図法は目的から手段へ樹形状に展開して対策を具体化する | 「グループ化」「まとめる」→親和図法 「目的と手段」「展開」→系統図法 |
📝 ポイント整理
・数値データを扱う7つが旧QC、言語データを扱う7つが新QC
・名前に「〇〇図法」と付くものは新QC側に集中している
・マトリックスデータ解析法だけは新QCで唯一の数値系という例外
・選択肢の動詞(集計する/グループ化する)が所属を見抜くヒントになる
試験ではこう出る!
出題パターン①「○○を説明したものはどれか」(図法の定義選択)
最も多い形式が、図法名を提示して正しい説明文を選ばせるタイプ。
選択肢には旧QCと新QCの手法説明が意図的に混ぜられ、所属を理解していないと絞り込めません。
📝 IPA試験での出題パターン
パターン1:図法の定義文を選ばせる
「管理図を説明したものはどれか」のように手法名から説明を選ぶ形式。FE H18秋 問76、FE H22秋 問76、FE H24秋 問78、FE H29春 問76、FE H30秋 問76が該当します。
パターン2:業務シナリオに適した図法を選ばせる
故障分析や品質改善の場面を提示し、最適な図法を答えさせる形式。FE H23特別 問54、AP H29秋 問76、AP H31春 問74、AP R5秋 問76が該当。
パターン3:図の構造の読み取り
特性要因図の要素aとbの関係を問うFE H31春 問77のように、図の意味そのものを理解しているかを試すタイプもあります。
出題パターン②「この場面に適した図法はどれか」(場面→図法の対応)
AP区分で主流となる形式です。
「ステップ数と不良件数の相関を分析したい」なら散布図、「故障発生の上位要因を明確にしたい」ならパレート図というように、目的から逆引きする力が問われます。
シナリオ文中の「相関」「上位」「時系列」といった語が、そのまま答えを指し示すことがほとんど。
出題パターン③「旧QCか新QCかを判別せよ」(所属グループの判別)
直接「どちらに属するか」と問う設問だけでなく、正解以外の3つを別グループの手法で固めるという形でも所属知識は試されます。
特にひっかけとして多いのが、パレート図の問題でヒストグラムを紛れ込ませるパターン。どちらも棒グラフである点を利用した典型的な罠です。
また、特性要因図と連関図法の説明文を入れ替える出題も定番。
「魚の骨」「体系的に整理」という語があれば特性要因図、「複雑な因果関係」「事象間の関係」とあれば連関図法と機械的に判定してください。
親和図法の問題でPDPC法や系統図法を並べ、新QC同士で迷わせるパターンにも注意が必要です。
過去問に見る出題実績
再出題が非常に多いテーマで、同一内容が数年後にそのまま出るケースも確認できます。
過去問演習の費用対効果が高い分野です。
過去問の出題実績を確認する(全13件)
FE H18秋 問76:管理図を説明したもの(正解:イ)
FE H22秋 問76:ヒストグラムを説明したもの(正解:ウ)
FE H23特別 問54:パレート図(80%以上が少数の原因に集中)(正解:エ)
FE H24秋 問78:親和図法を説明したもの(正解:イ)
FE H29春 問76:親和図法を説明したもの(再出題)(正解:イ)
FE H30秋 問76:連関図法を説明したもの(正解:ウ)
FE H31春 問77:特性要因図のaとbの関係(原因と結果)(正解:ア)
AP H29秋 問76:ステップ数と不良の相関分析に適した図=散布図(正解:イ)
AP H31春 問74:故障発生の上位要因を表現する図=パレート図(正解:イ)
AP R3春 問76:系統図法の活用例(正解:エ)
AP R5秋 問76:故障発生の上位要因を表現する図(H31春の再出題)(正解:イ)
AP R6春 問74:因果関係を明らかにする図=連関図(正解:エ)
IP H24秋 問8:2種類のデータの関係性を表す図=散布図(正解:イ)
区分別に見ると、IPは散布図・パレート図の素直な用途問題が中心。
FEは「〇〇図法を説明したもの」が繰り返され、親和図法・連関図法・系統図法・PDPC法の説明文を正確に区別できるかが合否を分けます。APは業務シナリオからの図法選択が主流で、パレート図と連関図が特に狙われています。
受験生が間違えやすい「QC7つ道具 vs 新QC7つ道具」の境界線
「特性要因図」と「連関図法」はどちらも原因分析─決定的な違いは?
両者を分けるのは構造の形。特性要因図は1本の背骨に向かって大骨・小骨が刺さる一方向の階層構造で、原因が結果へ一直線に収束します。
連関図法は原因Aが原因Bを生み、Bがまた別のCに影響するといった相互作用を矢印のネットワークで描くもの。原因どうしが絡み合っている状況で威力を発揮します。
どちらを使うか迷ったら、品質改善プロセス全体のどこにいるかを考えると判断しやすくなります。
📊 品質改善プロセスと道具の対応
パレート図/チェックシート/層別
特性要因図/連関図法/散布図
系統図法/PDPC法/アローダイアグラム
管理図/ヒストグラム
「この場面に適した図法は」型の設問はこの流れで解ける
「アローダイアグラム」はPMの道具じゃないの?─新QCに含まれる理由
アローダイアグラムはPERT図として、プロジェクトマネジメントのスケジュール管理でも登場します。
そのため「PM分野の道具」という印象が強く、新QC7つ道具の一員だと聞いて驚く受験生は多いはず。
もともと新QC7つ道具は、品質改善の「計画・実行」まで支援する道具群として設計されました。
対策が決まった後に実行順序を組み立てる役割として、アローダイアグラムが組み込まれています。所属を問う設問では、この二重の顔が引っかけに使われるので注意してください。
現場でもらった「丸暗記ゼロで覚える」コツ【体験談】
実務でQC手法に触れる中で最も役立った覚え方が、名前の語尾に注目する方法です。
親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、PDPC法。
新QC7つ道具は「〇〇法」で終わる名前が大半を占めます。
一方の旧QCはパレート図、散布図、管理図と「図」で終わるものが並ぶ。この語感だけで所属の8割は判定できます。
もう一つ、実際に手を動かした記憶は強く残ります。開発チームのふりかえり会議でバグ多発の真因を探ったとき、ホワイトボードに特性要因図を描いて「人・手順・ツール・環境」の4本の大骨から要因を出し合いました。
テスト観点の共有不足という真因にたどり着いたその感触は、参考書を10回読むより深く定着しています。
【確認テスト】QC7つ道具 / 新QC7つ道具の理解度チェック
Q. 新QC7つ道具に含まれる手法として、適切なものはどれか。
- A. データを区間ごとに分け、度数を棒グラフで可視化するヒストグラム
- B. 結果に対する原因を魚の骨のような形で体系的に整理する特性要因図
- C. 収集した情報を相互の親和性によってグループ化し、問題点を明確にする親和図法
正解と解説を見る
正解:C
解説:
判定の軸は「数値データか、言語データか」です。QC7つ道具は数値データを分析する7手法、新QC7つ道具は言語データを整理する7手法。親和図法はブレーンストーミング等で集めた言語情報を似たものどうしでまとめ、混沌とした状況から問題の所在を浮かび上がらせる手法であり、新QC7つ道具に属します。FE H24秋 問78およびFE H29春 問78相当の形式で繰り返し問われている定番の手法です。
Aが不正解の理由:ヒストグラムは測定値を区間に区切って度数分布を見る手法で、扱うのは数値データ。QC7つ道具(旧)のメンバーであり、新QC7つ道具には含まれません。
Bが不正解の理由:特性要因図はフィッシュボーンチャートとも呼ばれる旧QC7つ道具の代表格です。原因分析という点で新QCの連関図法と役割が似ているため混同されやすいものの、所属は旧QC側になります。
QC7つ道具 / 新QC7つ道具の関連用語ネットワーク
14手法を押さえたら、それらが使われる上位概念や、データ分析の周辺手法へ広げていくと理解が立体的になります。
📊 関連用語マップ
| カテゴリ | 関連用語 |
|---|---|
| 前提知識 | 度数分布、相関、標準偏差、ブレーンストーミング、PDCAサイクル |
| 関連用語 | ABC分析、パレートの法則、TQM(総合的品質管理)、QCサークル、クリティカルパス |
| 発展 | 品質マネジメント、シックスシグマ、統計的品質管理(SQC)、データマイニング |
📝 この記事のまとめ
・QC7つ道具は数値データ、新QC7つ道具は言語データを扱う
・混同ペア(パレート図とヒストグラム、特性要因図と連関図法など)は「見分けキーワード」で機械的に判定する
・FEは定義文の選択、APは業務シナリオからの選択が主流
・品質改善プロセスの4段階に手法を紐づけると場面型の設問に強くなる